日能研R4(2025)5月版が出てました。

昨年までは何度もお世話になったこの偏差値表。

随分といろんな学校名も覚えました。

 

実際に受験をするまではこの日能研R4への信頼は厚く、我が子の偏差値と比較して「ふ~ん、こんな学校でも入れるんだ」とか甘く考えていました。

 

でも、実際に受験を終えてみるとそれが如何に間違った考えであったか気付かされました。

そもそも4科での平均偏差値というのが曲者です。

学校によって試験問題の出題傾向は大きく変わります。

特に理社に関しては記述形式がメインか、記述無しの知識問題オンリーの学校なのかによって大きく求められる能力が違ってきます。

 

「この偏差値なら80%の合格率」と言うのはあくまで統計的な話でしかありません。
模試の偏差値よりも『学校別対策をしっかり行う方が重要だ』という話を事前に知っていれば「いろいろと手が打てたのに・・」という後悔が私には残っています。

 

特に注意したいのは「持ち偏差より低い学校」の対策です。

1とか2の差ではなく偏差値が「5以上」低い学校になると、どうしても甘く見て学校別対策を怠ります。

(ここは特別に何もしなくても『絶対受かる』だろうという慢心。)

 

逆にしっかり対策をすれば偏差値が5くらい上でも受かります。

我が家の結果がまさにそんな感じでした。

 

つまり、偏差値表の数値はあくまで目安であり、それよりも「その学校の対策をどこまでやったか」の方が重要だという事です。

「そんなの当たり前では?」と感じるかも知れませんが、実際にはそんなに簡単な話ではありません。

例えば、その学校の対策を完璧にしたら「10」だとして、我が子が行った対策が「8」の状態なのか「9」の状態なのかは誰にも判らないのです。

そして、試験の特性や我が子の実力を勘案して算数に力を入れるべきなのか理社なのか、それとも国語の記述なのか読解なのか学校毎に見極める必要があります。

 

最終的にここが上手くハマった学校には受かり、そうではない学校や対策を怠った学校には落ちたという印象です。(偏差値表通りには行かなかったです。)

 

集団塾であり、クラスもざっくりしか分かれていないので、いろんな実力の子が混ざる日能研ではこのあたりの適切な指導は難しいのかも知れません。

一応、我が子はMクラスで偏差値70超~55までの男女が同じクラスに25名在籍してましたが、正直言って6年生の9月以降の授業は無駄が多かった印象です。

 

せっかく遠くの校舎の日特に通っているのに、志望校とは出題傾向が異なる育成テストや実践テストを毎週やっていたのには息子本人も「無意味だし、正直無駄かも。」と言って、途中から他塾の学校別模試を優先したり、間違えた問題の解き直しもしていませんでした。

 

日能研からは「いろんな出題傾向に実践的に慣れるのが目的だ」との説明もありましたが、実際にその時間を使って併願先の学校対策(過去問)とかをしていた方がはるかに効率的だったのではないかと今は思っています。

 

最終的にどこを受けるかが定まらず、2月受験までにオールマイティな実力を目指すなら日能研の方法でもいいのかも知れませんが、少なくとも偏差値60以上の学校を目指すなら、その考えは子供の負担が大きく大変過ぎます。

 

夏期講習までは集団塾(日能研の)指導方針でもいいと思いますが、秋以降は我が子に合わせた戦略を取った場合と我が家の様にそのままの戦略では結果は大きく変わると思います。

これから本番を迎える6年生の親御さんにはこのことを強く伝えたいです。

この質問は日能研にお世話になっている間の3年間、何度も自分に行った質問(自問)です。

 

新4年生の2月から日能研に通うことにした長男。

当初は家から一番近い私立中学(偏差値50)に入るのが目標でしたので、特に日能研がどうとかも考えていませんでした。

 

ところが最初の公開模試で長男が偏差値65を取ってきてから、我が家の迷走が始まります。

 

「偏差値65?って、もしかしてスゴイんじゃないか?」

「いやいや、新4年生の最初なんて何の目安にもならないか。」

「でもYoutubeでは『割とそのまま6年までいける』って言ってるし、あながち・・・」

 

みたいなことが私の頭の中でグルグル。
長男も「僕は開成に行きたい」とか言い出す始末。

(この頃、小学3年生の長男が知ってる学校が『開成』だけだったことが後に判明。)

 

そして、その次の2回目の公開模試で偏差値70オーバー。

完全に変なテンションになり「よし、難関校を目指すぞ!!」となった我が家。

 

でも、それと同時に”『日能研から難関校って』大丈夫なのか?”という不安を抱えるようになりました。

 

日能研の合格実績を見るとSAPIXとの差は歴然でした。

なので「いくら日能研で偏差値70超でも、サピに行けば実は我が子はたいしことないんじゃないのか?」とか、

「メソッドや教材が古い」とか、「難関校向きじゃないって言われてるし」とか、

「ライバルがいない教室で3年間も頑張るのって、相当不利なんじゃないの?」etc。

 

「う~ん、さっさと転塾すべきか?」

「それとも、通わせるには遠いけどTMクラスに編入させてもらうべきか?」

など、いろいろ悩みました。

 

因みに2024年は男子御三家の合格者人数で言えば、サピは503人に対して日能研は118人でした。

開成に絞れば「262人」vs「38人」で、筑駒に至っては「98人」vs「8人」です。

この結果だけみれば日能研での「偏差値70」は安心できる数値ではありません。

(※公開模試で偏差値70だと男子順位では70~100番くらいです。)

 

つまり、仮にTMに編入させて偏差値70をキープできたとしても最難関に届く保証はありません。

それが『日能研の偏差値70』なのです。

 

でも、そんな悩みも4年生の夏休み明けの9月の公開模試で吹っ飛びます。

 

 

えええっ!理科が『偏差値50』オワタ・・・。

「最難関(開成受ける)とか言うとる場合ちゃうやん。」って、なりました。

 

夏期講習も通ったのに、直後の公開模試で基礎の基礎すらできていなかった長男。

『2年先のことはひとまず置いて、まずは目の前のことを頑張らせないと』って、思ったのでした。
(でも、それがあとで大きな間違いであったことに気付くのですが・・・。)

 

6年の5月に日能研上位層が受ける「難関校トライアルテスト」というものがあります。

 

このテストの特徴として面白いのは、過去の受験者と比べることで、現時点での成績によって各難関校の合格可能性が表示される点です。

 

長男の試験結果がコレ。

 

典型的な「算数小僧」の長男らしい結果でした。

因みにこのあと国語が劇的に伸びるのですが、そのお話は別の機会に。

 

で、このテストで出てくるのがコレ。

 

こんなのが男子だと10校分出ます。

開成・麻布・武蔵・駒東・慶普・筑駒・栄光・早中・聖光・渋幕

 

1つの目安は「合格者平均点」です。

これは過去にこのテストを受けた子の中で実際に合格した子だけで出した平均になります。

なので、ここを超えていれば合格率60%以上という判定が出ます。

 

そして各校でグラフに特徴があるのも面白いです。

例えば開成のグラフ。

受験者平均や合格者平均を下回った長男の成績でも合格率が50%という判定。

開成の場合、受験層の上位は間違いなくTOP層なんですが合格者数も多い学校なので意外と

下位層からでも合格していることがこのグラフから見てもわかります。

 

下位層と言っても偏差値67とかなので、そこを下位層と呼ぶのも変なのかも知れませんが・・・。

 

因みに関西や他のエリアではこのテストは受けていないのか、受験者数は育成テストの応用(3,800人程度)よりもかなり少ない2,290人となっています。

ブログのタイトルになっている「日能研から難関校に合格できるのか?」について。

 

まず、その『難関校』とはどういう学校なのかを定義したいと思います。

 

そもそも中学受験は首都圏で2割、全国的に見れば1割未満の小学生しか行っていません。

そして、その子達の多くは普段通う小学校の中では「できる子」に属しています。

そんな「できる子」達が必死に競い合うのが中学受験です。
なので一部の特殊な学校を除けば「中学受験向けの勉強をしないでも入れる」学校なんて存在しません。

受験をしない子達にとってみれば、どの学校も十分に「難しい学校」なのです。

 

この先の話はその大前提を踏まえた話になります。

 

先ほどの話で首都圏では2割の子が中学受験に挑むと書きましたがその総数は約6.5万人だそうです。

その中で上位20%くらいの子達が受ける学校が所謂『難関校』だと思っています。

 

上位20%は約13,000人に相当し、1校あたりの受験者人数が700人くらいあるので全部で20校くらいあれば

その中に納まります。

男女で半分だとすれば共学を除くと10校づつくらいでしょうか。

 

参考までにSAPIX偏差値(2/1男子)で見ると。

開成、麻布、武蔵、駒場東邦、早稲田、海城、慶応(普)、早稲田実業、早大学院、本郷で10校。

こうやってみるとSAPIXでは本郷2/1(SAPIX偏差値52)がボーダーになるイメージです。
 

また、日能研R4だと本郷2/1は偏差値61なので、ここには同列で芝2/1も入ってくる感じでしょうか。

偏差値で見ると埼玉の栄東A1/10も「61」なので、ここを『難関校』のボーダーライン上にある学校として定義すれば分かりやすいかも知れません。

因みに栄東のA日程(2024年)の受験者数合計は8,000人です。

 

そして2/1以外だと男子校では筑駒、聖光、栄光、浅野、立教新座、城北、攻玉社、桐朋、巣鴨など、共学校では渋幕、渋渋、慶応中等部、広尾学園、市川、東邦大東邦、明大明治そして一部の公立中高一貫校や特待&特進コースなども『難関校』の対象に入れて良いと思います。

 

上記に挙げた学校の合格者数を合計すれば8,000人を超えます。

単純計算で男女2倍なら16,000人の枠なので上位20%の子達は、これらどこかの学校に概ね入学できていると推測します。

もちろん、上手く分散できていればの話ですが・・・。

 

で、本題に戻りますが、日能研R4でいう「偏差値60以上」の学校をこのブログ内では『難関校』として扱っていきます。

因みにそのボーダーはSAPIX偏差値では「52以上」で四谷大塚偏差値だと「58以上」とします。

 

また、日能研R4でいう偏差値66以上の学校は「難関校」と区別するために「超難関校」と呼びたいと思います。

こちらはSAPIX偏差値なら「58以上」、四谷大塚偏差値だと「64以上」にしたいと思います。

当時、Youtube動画で「新4年生の最初の模試の成績で最後までいくことが多い」との情報を得ていた父。

そのときは「そんなもんなの?」程度でしか受け止めてなかったです。

 

で、その息子の新4年最初2021年2月27日の公開模試の結果がコレ。

 

特に対策もしないで普通に偏差値65を超えてきたので、それが当たり前のように感じていました。

このあとも4年生の間はずっとこんな感じで偏差値65付近を推移していました。

 

5年生になると少し落ちて平均偏差値63くらいでした。

ですが、6年生後半になると平均で66~67になり、算数だけは男子らしく70超えもチラホラ。

 

で、そんな息子の6年最後2023年12月23日の公開模試の結果がコレ。

 

途中の上下は結構ありました。

最低57(新5年2月)、最高72(6年7月)のような感じです。

でも平均で見れば結局、偏差値は「65」でした。

 

つまり、長男の場合は『最初の公開模試が目安になる』は本当だったということになりました。