約12年前に「授業はfeedback(ダメ出し、コーチング)」という記事を書いています。
 

教師の大きな仕事の一つが feedback だと言っているのですが、その考えは今も変わりません。児童生徒や学生に何かをやってもらい、それに対し、良かった点や改善すべき点を伝えることは、教師にとって、非常に重要な仕事の一つです。

私も授業では feedback に力を入れています。例えば、「現代英語」という授業があります。この授業は、受講者に、英語教師にふさわしい英語力、特に英語で話す力をつけてもらうことを目的としています。今年度も英語分野の1年生及び2年生以上の未履修の学生及び他専修で意欲の高い学生のみなさんに受講してもらっています。

授業では毎回受講者の半分が英語の本(多読用の薄い本が多い)を一冊選んで内容を3分で英語で紹介します。そして、それをビデオで撮影し、授業後に一人ずつ来てもらって、その映像を一緒に見ながら、私が発音のアドバイスをします。1人約10分なので、受講者が多い年は、毎回2時間以上かかります。

 

4月の段階では学生の発音は様々で、かなりうまい学生もいれば、日本語の影響が大きい学生もいます。あまり発音を意識してこなかったという学生が多いのですが、受験で発音が問われることがなので、どうしても後回しになっていたのだと思います。これは私たち大学教員の責任でもあります。

特に気になるのは th の音と全体のリズムです。th は英語独特の音なので、日本人だけが苦手というわけではないのですが、苦労をしている学生が後を絶たないのも事実です。リズムについて言えば、英語での話し方が平坦になっている学生が多いと思います。

 

なるべく私が例を示すようにしていますが、さすがに英語を頑張りたいと思っている学生の皆さんなので、私の発音を聞くと、すぐに自分の悪いところに気づき、さらに、「発音してみて」と言うと、グッと良くなる学生が多いです。

また、時折、「グルグル」をやります。「グルグル・メソッド」は大東文化大学教授の靜哲人(しずか・てつひと)先生が考案された指導法です。詳しくは靜先生のご著書である『英語授業の心・技・体』をお読みください。

グルグルは過去にも何度か書いていますので、よろしければ、そちらをご覧ください。

「授業でグルグルメソッド」

「久しぶりのグルグル」

「グルグル完全復活!」

昨日、今年度初のグルグルを行いました。学生一人ひとりの発音を確認し、瞬時にアドバイスをするのはなかなか大変ですが、限られた時間で多くの学生に発音指導ができる優れたメソッドです。

授業はまだ3回目ですが、学生のみなさんとの心理的距離も近くなった気がします。

これから忙しくなりますが、頑張りたいと思います。