最近、割に衝撃的な質問をされました。
本を手にしたお客様が、右側からパラパラとページをめくって
「本ってね、こっちから開くのと」
更に左側からパラパラとページをめくり、
「こっち側から開くのと2種類あるでしょ。」
「あれって、何が違うんですか?」
私はもう、一瞬固まってしまいましたよ。
「えーと、縦書きと横書き?」
もうね、単語を発するので精一杯。
流暢な日本語で長文説明することができません。
なんでビックリしたかと言えば、質問された方が一時は印刷の仕事をしていたからなんです。
でも、普通の人には分からないですよねー。
オンデマンドを注文されるのって一般の方が多いんですが、特に綴じ方向は指定してもらわず、こっちで勝手に決めています。
ちゃんと指定できる人は少ないような気がします。
表紙から見て向かって右側に製本糊がついていたら「右綴じ」です。
会社によっては「左開き」と表記するところもありますが、同じことです。
同人誌なら、大抵は専用の発注書があって、指定項目になってるはずです。
漫画なら右綴じ(左開き)。
小説も縦書きがほとんどなので同じですね。
横書きの文章なら「左綴じ」で「右開き」です。
一般の仕事をするようになって驚いたのが、圧倒的に左綴じが多いこと。
同人誌はほとんど右綴じでしたから、ちょっと衝撃でした。
論文とか教材、テキストなど、とにかく横書きの文章ばかり。
大抵の人は、Wordでデフォルト設定のまま使われるんですね。
自叙伝みたいなものも、A4サイズで横書きになってたりします。
一度、左綴じで納品したお客様から問合わせがありました。
「私の本、左から読むように出来上がってきたんですが、本って右から読むものじゃないんですか?」
この方の本はほとんど写真で、少しだけ入っている文章のページが横書きだったので、左綴じにしたんです。
確かに文章ページは飛び飛びで、それぞれ1ページに全部収まっているので、右綴じにできないこともなかったんですが、やはり「視線の移動」がスムーズな方が良いと思ったんですよ。
写真ページの説明文も横書きだし。
こういうので右綴じになってる本も確かにありますけど。
とにかく、そこら辺を説明すると、お客様は納得してくださいました。
(丸め込んだ気もしますが、きっと気のせいです。)
例えば、横書きの文章ページが2ページ以上続く場合は、問答無用で「左綴じ」にします。
ページの最後の文字から次のページに移るのは、できるだけ最短距離の方が目にやさしいと思います。
同人誌などで、どうしても横書きのページが2ページ以上入るという場合は、どうしましょうか。
開き直って横書きページを一番最後に持ってきて、その部分だけ後ろから読んでもらうのが、多分ベストです。
横書きページの最後のところに「これは後ろの〇ページから読んでください」とでも書いておけば良いと思います。
2ページだけなら見開きにして左のページから読んでもらうようにすれば一番いいですね。
何かの参考にしていただければ幸いです。