東京都「「カスタマーハラスメント防止条例の指針(素案)」について② | ハラスメント防止コンサルタント 社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ

ハラスメント防止コンサルタント 社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ

特定社会保険労務士の大澤明彦です。
中小企業の代表者・人事担当者向けに、労働社会保険に関する最新情報をお届けします。

こんにちは。

町田市の社会保険労務士 大澤明彦です。

初めてご訪問いただいた方は、

私のプロフィールは、こちらから左差し

ご確認ください。

 

 東京都は、令和6年7月26日(金)、カスタマーハラスメント防止ガイドライン等検討会議(第1回)を開催しました。

 

 資料の中から、「カスタマーハラスメント防止条例の指針(素案)」についてご紹介します。

分量が多いため、数回に分けてご紹介致します。今回は2回目です。

 

まず、指針の項目について以下に記載します。

①カスタマーハラスメントの内容に関する事項 

・カスタマーハラスメントの禁止規定 

・カスタマーハラスメントに関連する用語の定義 

・カスタマーハラスメントの代表的な行為の類型 

・顧客等への配慮 

 

②顧客等、就業者及び事業者の責務に関する事項 

・顧客等、就業者、事業者の責務 

 

③都の施策に関する事項 

・都の責務 

・施策の推進 

・施策の推進プロセス 

 

④事業者の取組に関する事項 

・必要な体制の整備 

・被害を受けた者への配慮 

・被害防止のための手引(マニュアル)の作成 

・その他の措置 

 

⑤その他 カスタマーハラスメントを防止するために必要な事項

 

 資料の中からそれぞれの項目について、条文とその論点について記載します。(下線は筆者が加筆)今回は、②顧客等、就業者及び事業者の責務に関する事項をご紹介します。

 

②顧客等、就業者及び事業者の責務に関する事項

〇顧客等の責務

「顧客等は、 カスタマーハラスメントに係る問題に対する関心と理解とを深めるとともに 、就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努める 。」
「顧客等は、都が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策に協力するよう努める」

 

【論点 】顧客等が果たすべき責務

・行為を行う可能性がある顧客等が、カスタマーハラスメントが起こる社会的背景や、どのような行為がカスタマーハラスメントに該当するかなど、条例を通じて関心と理解とを深める必要 がある。また、就業環境の悪化や事業活動への悪影響など、カスタマーハラスメントがもたらす 不利益に対する理解を深める必要がある 。
・顧客等は、就業者と顧客等が対等の立場であることを前提に、就業者に対する意見や要望の 伝え方等を工夫するなど 、自らの言動に注意を払うことが望ましい特に、就業者が提供する 商品やサービスに瑕疵・過失があった場合であっても、怒りの感情を抑え、落ち着いてその内容を伝える など、冷静な姿勢でその改善を要求することが重要である
 

〇就業者の責務

「就業者は 、カスタマーハラスメントに係る問題に対する関心と理解とを深めるとともに、カスタマーハラスメントの防止に資する行動をとるよう努める。」
「就業者は、事業者が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する取組に協力するよう努める」

 

【論点 】就業者が果たすべき責務

・行為を受ける可能性がある就業者が、カスタマーハラスメントが起こる社会的背景や、どのような行為がカスタマーハラスメントに該当するかなど、条例を通じて関心と理解とを深める必要 がある。また、行為を受けた際にどのように対応すべきか、誰に相談すべきかなど、カスタマーハラスメントが発生した際の対処等について理解を深める必要がある
・就業者は、就業者と顧客等が対等の立場であることを前提に、 顧客等に対する意見の伝え方等を工夫するなど、カスタマーハラスメントを未然に防ぐための積極的な行動をとることが望ましい。特に、顧客等からの商品やサービスに関する正当な理由に基づく要求や改善の要望に対して、初期の段階でカスタマーハラスメントに至らないよう、適切な言動 を行うことが重要である。
・また、事業者がカスタマーハラスメント防止に向けた取組を効果的に実践するためには、就業者一人ひとりが、その取組の目的や重要性を十分理解するとともに、取組に積極的に協力する必要がある。

 

〇事業者の責務

「事業者は、カスタマーハラスメントの防止に主体的かつ積極的に取り組むとともに、都が実施する施策に協力するよう努める 。」
「事業者は、カスタマーハラスメントを受けた就業者の安全を確保するとともに 、行為を行った顧客等に対し、中止の申入れその他の必要で適切な措置を講ずるよう努める。」
「事業者は、就業者が顧客等としてカスタマーハラスメントを行わないように、必要な措置を講ずるよう努める。」

 

【論点 】 事業者 が果たすべき責務

・「主体的かつ積極的」の考え方として、就業者が顧客等からカスタマーハラスメントを受けた場合、就業者の意欲の低下等を起因とした職場環境の悪化、職場全体の生産性の低下等につながり得ることで、事業者の事業活動の継続に大きな影響が生じる 。事業者においては、カスタマーハラスメント防止に当たって 、事業者ごとの状況に合わせた効果的な対策を講じるとともに、就業者がカスタマーハラスメントによる被害を受けないよう、積極的な取組が求められる。
・「 都が実施する施策に協力」の考え方として、事業者は、現代の社会経済活動において重要な役割を果たす存在として、その社会的影響力は大きい。事業者においては、カスタマーハラスメントの防止に関する都の施策を実効性あるものにするため、これに協力することが求められる 。

・「就業者の安全を確保」の考え方として、労働契約法第5条の規定により、事業者には、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務がある 。事業者においては、顧客等による暴力行為等によって就業者の安全が脅かされる事態が発生した場合、あらかじめ定めた対応方針に従い、現場責任者等が対応を替わった上で、顧客等から就業者を引き離す、あるいは、弁護士や管轄の警察と連携を取りながら対応するなど、就業者への被害がこれ以上継続しないようにすることが求められる
・「中止の申入れその他の必要で適切な措置を講ずる」 の考え方として、事業者においては、カスタマーハラスメントが発生した場合、行為者である顧客等に対して、就業者への行為を止めるよう要請するとともに、あらかじめ定めた対応方針に従い、現場責任者等からの退去要請や出入り禁止の通告等の対処を行うことが求められる。
・「就業者が顧客等としてカスタマーハラスメントを行わない」 の考え方として、就業者は、カスタマーハラスメントを受ける立場である一方、例えば、取引先との関係では顧客等であるなど、カスタマーハラスメントを行う立場にもなり得る 。事業者においては 、事業に従事する者 が、カスタマーハラスメントを行わないよう 、 カスタマーハラスメント防止に関する啓発や教育等を行っていくことが求められる。

 

次回は、④事業者の取組に関する事項をご紹介します。

詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

 

ハラスメント研修(管理職向け、一般職向け)実施可能です。

 ハラスメント防止対策には、従業員への研修が効果的です。21世紀職業財団認定のハラスメント防止コンサルタントであり、法学修士でもある特定社会保険労務士が講師を担当致します。

 

ZOOMを使ったオンラインでの相談も可能です。

 まずは、当事務所のホームページをご覧いただき、どのような事務所かご確認の上、ご相談ください。

 

お問合せはこちらから左差し

 

クリックのご協力をお願い致します。お願い

⇓⇓⇓⇓⇓

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村