こんにちは。
町田市の社会保険労務士 大澤明彦です。
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厚生労働省は、労働経済動向調査(令和8(2026)年5月)の結果を取りまとめ公表しました。
今回は、その結果の概要をご紹介したいと思います。
■ 1. 調査の位置づけ
労働経済動向調査は、四半期ごとに実施される企業アンケートで、雇用・労働時間・人手不足感・採用計画などを把握する重要統計です。
令和8年5月調査は、全国5,786事業所(有効回答3,174、回答率54.9%)を対象に、2026年5月1日時点の状況をまとめています。
■ 2. 正社員の雇用判断D.I.はプラス継続
● 4〜6月期:+2ポイント
特にプラス幅が大きいのは以下の産業:
・建設業: +12ポイント
・不動産業,物品賃貸業:+11ポイント
・生活関連サービス業,娯楽業: +11ポイント
一方で、
・卸売業・小売業:△2ポイント
・医療・福祉:△2ポイント
という“構造的な人手不足産業”では、雇用増が追いつかない状況が続いています。
■ 3. パートタイム雇用は横ばい
● 4〜6月期:+1ポイント
パート雇用は、正社員ほど積極的ではありません。
産業別では、
・金融業,保険業:+7ポイント
・生活関連サービス業,娯楽業:+7ポイント
・宿泊業,飲食サービス業:+5ポイント
など、サービス業での需要が強い一方、
・学術研究,専門・技術サービス業: △3ポイント
でマイナスとなった。
■ 4. 正社員の人手不足は+47ポイント
→ 依然として“深刻な不足超過”
特に不足感が強い産業は:
・建設業:+59ポイント
・医療・福祉:+57ポイント
・運輸・郵便:+55ポイント
・専門・技術サービス:+54ポイント
これは、「採用しても採用しても足りない」という状態が続いていることを意味します。
■ 5. パートの人手不足も+27ポイント
特に不足が目立つのは:
・宿泊・飲食:+42ポイント
・生活関連サービス・娯楽:+39ポイント
・サービス業(他に分類されないもの):+41ポイント
サービス業の慢性的な人手不足は、もはや構造問題と言えます。
■ 6. 不足への企業の対応:63%が“何らかの対策”
企業が実施した対策(複数回答)は以下の通り:
● 1位:中途採用の強化(69%)
● 2位:新卒採用の強化(39%)
● 3位:パート・臨時の採用(39%)
● 4位:業務効率化の推進(39%)
その他にも、
・求人条件(賃金)の引き上げ
・労働条件の改善
・教育訓練による業務範囲拡大
・外部人材の受け入れ
など、企業は“総動員体制”で人材確保に動いています。
■ 7. 過剰部門への対応はわずか6%
人手が余っている部門は少なく、対応した企業も少数。
対応内容は、
・配置転換(35%)
・中途採用の削減(26%)
・残業規制(26%)
など、比較的ソフトな調整が中心です。
■ 8. 令和9年(2027年)新卒採用計画
● 「増加」と回答した割合
・高校卒:23%
・短大・高専:16%
・大卒(文系):17%
・大卒(理系):19%
・大学院:12%
・専修学校:13%
いずれの学歴でも「増加」が「減少」を上回り、 企業の採用意欲は引き続き強いことが分かります。
増加理由のトップは、「長期的に育成する基幹人材の確保」で、どの学歴でも最も多い回答でした。
■ まとめ:人手不足は“慢性化”から“定常化”へ
今回の調査から見えるのは、次の3点です。
● ① 正社員の不足は深刻で、改善の兆しがない
● ② パートも不足が続き、サービス業は限界に近い
● ③ 企業は採用強化と業務効率化の両輪で対応中
特に、 建設・医療福祉・運輸・専門職 は、今後も慢性的な人手不足が続く可能性が高い。
労働市場は、「採用すれば解決する」時代から、 “採用しても足りない時代” へ完全に移行したと言えます。
詳細は、以下よりご確認願います。
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