社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ(2019年8月28日より毎日更新継続中)

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こんにちは。

町田市の社会保険労務士 大澤明彦です。

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家事・育児の「見える化」で夫婦・パートナーの対話をサポート

 

 厚生労働省は令和8年9月11日、家事・育児の最適な協力体制づくりのための対話ツール「トモイクシートWeb版」を公開しました。

 「トモイクシート」は、夫婦やパートナー同士が家事・育児について話し合い、それぞれの家庭に合った協力体制を考えるためのツールです。

 今回Web版が公開されたことで、パソコンやスマートフォンから利用しやすくなりました。

 厚生労働省の「共育(トモイク)プロジェクト」では、職場と家庭の双方で、誰か一人が家事・育児や仕事を抱え込む「ワンオペ」の解消を目指しています。

 

 

◆「私たちにとっての最適解」を見つけるためのツール

 家事・育児の分担というと、

 ・夫が何割、妻が何割

 ・男性ももっと家事・育児をするべき

 ・夫婦で平等に分担するべき

 といった議論になりがちです。

 しかし、家庭によって事情は異なります。

 勤務時間や通勤時間、仕事の内容、子どもの年齢、保育園などの送迎、親族からの支援の有無などによって、無理なく続けられる家事・育児の分担方法も変わってきます。

 そのため重要なのは、必ずしも「50:50」のような形式的な平等を目指すことではありません。

 それぞれの家庭の事情を踏まえ、「自分たちにとってどのような協力体制がよいのか」を話し合うことが重要です。

 トモイクシートは、まさにそのための対話をサポートするツールとして作られています。

 

◆Web版になり、より利用しやすく

 これまでのシート形式では、資料をダウンロードしたり、印刷したりして利用する必要がありました。

 今回公開されたWeb版では、パソコンやスマートフォンから利用することができます。

 忙しい子育て世代にとって、

 「資料を印刷する時間がない」

 「家事や育児の分担について話し合いたいが、何から始めればよいかわからない」

といったハードルを下げることにもつながります。

 ただし、このツールのポイントは、単に家事や育児の時間を記録することではありません。

 現在の状況を整理し、それぞれがどのように感じているのかを確認しながら、夫婦・パートナー間で対話することに意味があります。

 

◆家庭の問題だけではなく、企業にも関係する

 トモイクシートは家庭向けのツールですが、企業にとっても無関係なものではありません。

 厚生労働省の「共育(トモイク)プロジェクト」は、共働き・共育てを推進し、家庭だけでなく職場においても「ワンオペ」を解消することを目指しています。

 厚生労働省は、男性の育児休業取得促進だけでなく、男性の家事・育児参画を阻害する長時間労働など、職場における働き方の見直しも重要な課題として位置付けています。

 例えば企業において、

 ・育児休業を取得しやすい職場環境を整える

 ・育児期の柔軟な働き方を可能にする

 ・長時間労働を見直す

 ・業務の属人化を防ぎ、業務を分担できる体制を整える

 ・育児と仕事の両立について職場全体の理解を深める

 といった取組を進めることは、従業員が家庭で家事・育児を分担するための環境づくりにもつながります。

 厚生労働省も、仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備は、人材の確保や定着にもつながることが期待されるとしています。

 

◆「制度がある」だけでは十分ではない

 企業に育児休業制度や育児のための短時間勤務制度などが整備されていても、それだけで仕事と家庭の両立が実現するとは限りません。

 例えば、

 「制度はあるけれど、周囲に気を遣って利用しにくい」

 「育児休業から復帰した後も長時間労働が続いている」

 「特定の従業員に業務が集中していて、休暇を取得しにくい」

 といった状況であれば、制度を利用すること自体が難しくなります。

 そのため、両立支援を考える際には、制度の整備だけではなく、実際に利用できる職場環境や業務体制が整っているかという視点も重要です。

 厚生労働省の共育(トモイク)プロジェクトでも、企業向けの取組として「企業版両親学級」や研修資料、タスクシェアの見える化などが進められています。

 

◆社労士として感じること

 労務相談の現場では、育児休業や育児のための短時間勤務など、仕事と育児の両立に関する制度について相談を受ける機会があります。

 こうした制度は、もちろん企業が適切に整備し、従業員が安心して利用できるようにすることが重要です。

 しかし、制度だけでは解決できない問題もあります。

 例えば、家庭内でどのように家事・育児を分担するのか、夫婦・パートナーがお互いの仕事の状況をどこまで理解しているのか、といった問題です。

 家事や育児の負担感は、単純な時間数だけで決まるものではありません。

 「自分ばかりが負担している」

 「相手は自分の大変さを理解してくれない」

といった認識の違いが、夫婦間のすれ違いにつながることもあります。

 だからこそ、まず現在の状況を整理し、お互いの状況を見える化した上で話し合うことが大切です。

 そのきっかけとして、今回の「トモイクシートWeb版」は活用できるツールの一つといえるでしょう。

 

◆まとめ

 厚生労働省が令和8年9月11日に公開した「トモイクシートWeb版」は、夫婦やパートナーが家事・育児について話し合い、それぞれの家庭に合った協力体制を考えるための対話ツールです。

 家事・育児の分担については、「どちらが何割負担するか」という数字だけを見るのではなく、それぞれの仕事や家庭の事情を踏まえて、自分たちに合った方法を考えることが重要です。

 そして、家庭での共育てを実現するためには、家庭だけでなく、職場の働き方や職場風土も重要な要素になります。

 育児休業制度などの法定制度を整備することはもちろん、その制度を実際に利用できる職場環境をつくることも企業に求められています。

 「トモイクシートWeb版」をきっかけに、家庭では家事・育児について、企業では仕事と育児の両立について、それぞれの立場から考えてみてはいかがでしょうか。

 

※出典:厚生労働省「家事・育児の最適な協力体制づくりのための対話ツール『トモイクシートWeb版』を公表しました」

 

 

 

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