2年前の春。
ふと思い立ち、青春18きっぷを使って、西に向かうことにした。
会いたい人や景色に会うために。
ぐるりぐるりと懐かしい景色を回った。
名古屋では、ほしあいめみちゃんと会った。
めみちゃんと共演したのは、香川の高松にある高松琴平電気鉄道の中でシアターキューブリックが上演した芝居、『ことでんスリーナイン』。
この公演のことをよく思い出す。
「キューブリックの皆、元気かなぁ。」「めみちゃん、元気かなぁ。」「オオゼキタクさん、元気かなぁ。」
と。
余談だけど、僕はシアターキューブリックの作品の中で『ことでんスリーナイン』と『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』が大好き。
限りなく現実の世界観と少しのファンタジーが合わさり、どちらも切なさ溢れる物語。
めみちゃんと夜中の3時まで居酒屋で2人でお話をしながら楽しく過ごし、そこから始発が出るまで待ち、関ケ原へ向かった。
関ケ原。
自分の人生の中で、間違いなく大切な場所。
ここで過ごした時間が無ければ、今の僕は、無い。
この地が自分にとって、大切な場所になるとは子供の頃は思いも寄らなかった。
ちなみに、幼稚園の学芸会の出し物は、『関ヶ原の戦い』。
今でも、はっきりと鮮明に覚えている。
自分の役は、東軍だったか西軍だったか…。
あれ?
どっちだったっけ??
あ。
全然はっきりと覚えていなかった。
刀を相手役の子と、「やぁ!やぁ!」と交わし、最後は全員パタリと倒れる、そんな内容だった気がする。
まさか、大人になって実際に関ケ原で「やぁ!やぁ!」するとは。
関ケ原に帰るといつも、29歳の自分に戻る。
駅前の景色は変わっていても、自然は変わらずにそこにあって。
もう2年経つのかぁ。
そろそろまた帰りたくなってきた。
明日、春が来たら。
君に逢いに行こう。
明日は。
東京はバリバリの雪予報だし、まだまだ冬だけど。
いつかの明日、春が来たら。