私は武術を習ったことはありませんが、最近体感したことの中で、とても興味深いことがありました。
○○道と名の付く武術は、身体を使うことでありながら、同時に自らの心と繋がるものでもあると感心したことがあります。
特に『合気道』は読んで字の如く、多分（というのは、私はやったことがありませんので）『気を合わせる』ところにその極意があるのではないか、と思ったのです。
どういうことかというと、名人・達人と呼ばれる人たちは、まず勝敗にこだわっていないのではないか、ということです。相手に勝ってやろう、という作意がないからこそ強い。
その反面、勝ってやろうという作意を持った者が、勝敗を超えた在り方の人にぶつかっていくと、自分の勝ってやろうという力が逆に反作用して我が身に返ってくる。そして、その力で倒れてしまうということが、起きているようなのです。勝手にぶつかっていって、勝手にこけている...ように傍からは見える。要するに1人相撲です。
相手と手合わせをしたとき、『勝ちに行きたい心』を脇に置く。一旦、相手の力を受け入れる感じ。
ここですでにもう、力のぶつかり合いは起こっていません。相手がどんなに力を入れても、こちらは力で押し返さないので、逆に相手は気が抜けてしまうくらいです。
むしろ大切にするのは、自分が力を使わずして、いちばん楽に相手を交わして抜けられる『道筋を探す』感覚でしょうか。そして、その『探す』というのも、頭で考えて探すというよりは、勝手に身体が知っているという感じです。自分の身体の芯がブレていないと、身体が勝手に動きます。
相手と向き合いながら、同時に自分の『身体と心の中芯』に繋がっている感覚です。とっても楽チンに居る感じ。たとえ倒されたとしても、相手の気が私の身体にも通ったようで、むしろ清々しい。そして、なぜか笑えてしまう。
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ここで１つ、気づいたことがありました。
今でこそ、私はカウンセラーとして仕事をしています。
しかし、過去に抑うつ神経症になり、不眠状態、食欲がなくなったりしたことがありました。
その時のことを思い出してみると、心のエネルギーの使い方として、上記に挙げた合気道の達人と逆のことをやっていたのですね。
自分の中に湧き上がってくる感情を抑え込もうとしたり、湧いてくる考えを追いかけて打ち消そうと戦ったり。
要するに自分の頭や心の中で、グルグルと１人相撲を取っていたのです。
自分の中で戦わない。起こってくる感情や考えは、ただそうだと眺めるようにしていると、心が静かになってきます。
同時に自分の中で意識を置いておくのは、自分の中芯です。
自分の中芯と繋がっている時にこそ、いちばん楽にその人本来のパワーが流れ出てくるのではないでしょうか。
自分の中芯と繋がるために、自分の呼吸に意識を向け耳を澄まして聴くのは、シンプルで有効な方法だと私は実感しています。
この瞬間は、自分が自分の気と合わせる、とでも言ったらいいのでしょうか。
しっかり自分の気と合う、調和したなと思ったときは、とても清々しいです。
そして、私がお伝えしているボイスアートは武術ではありませんが、遊びながら楽しみながら、息遊び、声遊びを通して、自分の気と合わせる方法をお伝えしています。
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ボイスアート・10月回開催日は...
第76回 ボイスアート（グループ）＠なら
日時 10月20日（日） 13:30～15:30
場所 奈良県文化会館・和室「かすが」
受講料 2500円
定員 10名程度