雨映画の史上最高傑作
1998年 監督/ 岩井俊二
おいおい!こんなメチャクチャ素敵な作品を隠してたんかい岩井俊二!
このブログで岩井俊二監督作品『花とアリス』を褒めちぎったのは2年前のこと。それまで最も苦手な映画作家のひとりであった岩井監督の作品に、その日ボクはハマってしまったのです。
こうなれば翻弄される事をとことん楽しもうと、次々岩井監督作品に手を出してみましたが…、あの大人気作品やあの名作がまるで性に合わず…(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
やっぱり岩井作品はボクのような下世話な人間には敷居が高かったのだと諦め、再び岩井監督作品との疎遠を決め込んでおりました。
それがつい先日、2年前に書いた『花とアリス』の記事にコメントをくださったスギナミさんから『四月物語』をお薦め頂き、しかも"岩井俊二監督作品のベスト"とまで評価されておられたので、暫くぶりに岩井作品に会いたい気持ちが芽生えてしまったのです。
果たして『四月物語』とやらはボクの性に合うのか否か…
スゲぇ!!マジか!?
岩井俊二の圧勝じゃないか!!
大学進学の為に上京した少女・楡野卯月が抱く疎外感や、多種多様なクセ者が蠢く都会生活での混乱を、松たか子演じる主人公楡野卯月の目線でみずみずしく描いた世界観は唯一無二!完全に絆されましたよ!!
脚本と演出、そして映画初主演となる松たか子の演技も繊細で絶好調!こんな新しい日本映画が1998年に誕生していたなんて!最高にラブリーな『四月物語』は、今のところボクにとっても岩井監督のベストです!!
【この映画の好きなとこ】
◼︎楡野卯月 (松たか子)
慎ましく実直に生きる姿は、男女問わず守ってあげたくなる程のヒロインオーラを放っている。起用する岩井のセンスも光るが、何より松たか子の繊細な演技に絆された。
◼︎脇役たち
岩井作品に無駄な登場人物は一人もいない。端役でありながら強烈な個性を放ち、僅かな出演時間で人の心に強く根付く。人の心を揺さぶるのが上手いな岩井監督は。
◼︎オープニング
走り出す列車の窓に手を伸ばす短いシーンで、故郷や家族に馳せる思いが伝わる。主人公を映さず、かつ台詞も与えずに全てを語る秀逸さ!これが映画だ!
◼︎探索
上京したての卯月が、新天地を自転車で散策する様子は、かつて引越し魔であったボクの心をくすぐる。注目したいのが、手持ち感を前面に出さず風景に溶け込むような撮影!
◼︎カレーライス
田舎特有の付き合い感覚で、隣人を食事に招待するも断られた卯月。その直後に訪れる初めての高揚場面。しかし友達の長電話を切れない描写が卯月の性格の良さを見事に表現。
しかし…電話切れーず(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
◼︎ブックカバー
書店で働く片想いの山崎先輩がかけたブックカバーにくちづけをする卯月。プラトニックな想いがひしひしと伝わるこの場面にときめけば、ここで本作を好きになること確定。
◼︎鼓動 ※ネタバレ
書店で店員として現れた山崎先輩に動転する卯月。その心情がよく伝わる編集と繊細な演技。この時まだ男性が何者なのか知らされていない為、観客は卯月を案じ不安に陥いる。
◼︎雨宿り
画廊入口で雨宿りする卯月に傘を貸す男性。そのおかげで武蔵野書店に戻り、山崎先輩から傘を借りる妙案が浮かぶ卯月。雨がもたらす不思議な縁と素敵連鎖の始まり。
◼︎雨の武蔵野書店 ※ネタバレ
降り頻る雨の音にかき消されまいと、山崎先輩に向けて必死に声を張る卯月。発した言葉は「これ(壊れた赤い傘)でいいです!これがいいです!」と「まだバンドやってるんですか?」だったが、その言葉には「ずっと好きでした!」という想いが乗せられていると思う。卯月が発したのは言葉ではなく積年の想いだと思う。
「必ず返しに来ます」は「また会いに来ます」だね
傑作雨シーンとしてマジ映画史に残る
◼︎再び画廊にて
これから始まる何かに胸を膨らませつつ、ひと仕事終えたような安堵のため息が清々しい。山崎先輩には彼女がいるかもしれない。それでも二人はこれからたくさんの時間を共有し、決して後悔することのないベストな結末が待っているはず。そんな予感を抱かせる見事な終幕。
もう拍手しましたよ!!マジ最高!!
こんなに温かい雨はこれまでのどんな映画でも観た事がありませんでした!!
静かな物語ですが、卯月の想いが熱くて果てしない感動に包まれましたね!ベタで大袈裟な感動ではなく、物凄くさりげなく、物凄く軽やかで、物凄く幸せな気持ちにさせてくれる作品です!
しかもこれだけの募る想いを描きながら、なんとその尺67分ですよ!1時間7分ですよ!
マジスゴいぜ岩井俊二…。
映画を観終わり、コンビニに買い物に行こうと外に出たボクを迎えたのは夜の雨でした。大粒の雨だけど雨量は少ない。迷う事なくボクは傘を持たずに出ました。スーパーまでの道のりは雨に濡れつつも、卯月同様に清々しさを感じるとても温かい雨でした。
しばらくは本作に浸る時間を設けますが(てか既に4回鑑賞済み)、こうなれば全ての岩井作品を観てみるかな。
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