トットロ トットーロ 🎵

1988年 監督/ 宮崎駿

どうしてもどうしてもボクはアニメが苦手です!アニメ映画を観始めると、気がつけば上の空になっており、置いていかれている事がほとんどです。
アニメ大国である日本には、世界に誇る大人気作品やたくさんの名作がありますが、どうしても集中して観る事が出来ない超苦手分野なのです。

それは、日本が世界に誇る巨匠宮崎駿監督の諸作品であっても例外なく…いや!いや!いや!唯一の例外で且つ大好きなアニメ作品がありました!

それが『となりのトトロ』です!


初めて本作を観たのは25歳の頃。「まあ有名作品だから触りだけでも…」くらいの気持ちで観始めたのですが、緻密に描かれた田園風景の美しさ、繊細な人間描写、そして何より圧巻の宮崎演出などなど、全編見どころ満載…いや全編見どころしかないこの怪物的作品に心を鷲掴みにされたのです!


日本にこんなスゴいアニメ作品があるとは!!宮崎駿って監督はいったい…。


ボクが生まれ育った故郷は、行政区分上"町"とされていますが、そう名乗るのがおこがましい程の田舎です。国道からも離れたボクの故郷は、街灯や信号、ガードレールすら無く、ただただ田園風景が広がる俗世間から隔離されたような世界なのです。

その記憶と体験はまさに『となりのトトロ』に通じるものがあり、故郷の景色に思いを馳せる感覚で『となりのトトロ』を鑑賞出来るのだから、つくづく田舎に生まれ育って良かったなあと思うのです(ええ、田舎自慢です😏)


それは、例えば木のトンネルや、


森の秘密基地なんかは当たり前。


薪でボイラーを焚くお手伝いもしていたし、


道でトラックに会えば手を振っていたし、


都会に住む従兄弟達は宇宙人に見えた。


強い雨風に自然の脅威を感じたり、


強風でガタガタいうガラス戸にビビったり、


夕刻の魔力に吸い込まれそうになった。


圧巻の田園風景、昭和初期の心豊かな暮らし、そして目に見えぬ森に住む何かと共存していた頃の人たち。その時代や風景を知らない現代人の心さえ、いとも容易く掴む『となりのトトロ』は、老若男女問わず人間本来の気持ちに還らせてくれるから、やっぱりスゴいなと思わずにいられないのです。


みんな金曜ロードショー観た??





【この映画の好きなとこ】


◾️映像美

緻密に描かれた映像の数々は本作の大きな魅力のひとつ。また映像だけでなく、音響や音楽もリアルでありファンタジックでもある。それが宮崎駿の世界観を完璧にした。

風に揺らぐ草花や森の木々…
視界を遮るビルが無いということの素晴らしさ
まっくろくろすけが月夜に浮かぶ



◾️草壁メイ

登場人物は全て好きだが、「子供ってそうだよねー」と思わず納得の無邪気な描写が卓越している。やっぱりこの子は特別に好き。人間のあるべき姿を宮崎駿はメイに託した?

子供はいつまでもメイであれ!



◾️カンタのばあちゃん

サツキとメイの両親不在で進む事が多いこの作品では、近所のおばあちゃんが二人の面倒見役となる事もしばしば。近所付き合いが希薄化していく現代でその優しさが染みる。

ばあちゃんを東北弁にした理由は優しさを感じるから?



◾️主題歌

オープニングの「さんぽ」、エンディングの「となりのトトロ」共に一度聴けばで覚えられるほどシンプルながらインパクト大。宮崎駿は何が人の心を掴むか把握しきっている。

「みんなのうた」的なね。ポニョもそうだったな



◾️トトロたちの空気感

人気キャラクターのトトロやネコバスは意外にも出演時間が少なく、不思議な世界の住人としての脇役ポジションをキープしている。ミステリアスな陰の存在感が絶妙。

これも計算され尽くしたことなのだろうか



◾️クスノキ

トトロの棲家である神木クスノキにメイがお世話になった御礼をする3人。サツキの言葉「また会える?私も会いたい!」も含め、誰ひとりトトロの存在を疑っていない!最高。

こういう人でありたい
メイがお世話になりました



◾️

雨宿りするサツキとメイに傘を渡し、雨の中を一人走るカンタ。傘を返しに来たサツキのお礼を奥の部屋で聞き上機嫌になるカンタの描写が絶妙。男は愛で変われるのだ。

ん!んー! 優しさってのは言葉じゃないぜ
男前だぜカンタ!
「誰が来たのがぁ?」「しらねー」



◾️トトロの

青く照らされた月明かりのもとで繰り広げられる祈願ダンス。サツキとメイを拒否しないトトロの不思議感と、絡む久石譲のスコアが見事にマッチし幻想感を増幅させた。

『ソナチネ』など北野武作品へ影響を与えたと思ってる
大きくなったねーメイちゃん!



◾️風になる

トトロに招かれ空中飛行をするサツキとメイ。トトロと共に二人が叫ぶカットは、観るものも一緒に叫びたくなるほどの爽快感に満ちている。またカメラワークも秀逸。

んがーっ!!
応援上映会あれば絶対叫びに行くぜ



◾️迷子

サツキを追って迷子になったメイ。道端で出くわす山羊をグロテスクなデフォルメで描き、トウモロコシをせびる様は、メイのいらつきと焦燥感を共に味わせてくれる名演出。

お母さんのトウモコロシや!
やらんて!



◾️ケンカ

ケンカした二人の時間経過をジャンプカットで見せる名演出。宮崎駿は物語を進める為に仲直りをさせるなどの愚行に走らない。別々の部屋でケンカ疲れによる寝落ちがリアル。

頑張り屋のサツキが怒りを露わにする
ギャン泣きのメイ!かわいい😍
この演出には初見時かなり興奮した!
散らかしたおもちゃとかメチャクチャ上手い!



◾️おみやげ

無事病院に辿り着いたサツキとメイだが、病室に駆け込まず病室の両親を優しく見守る。現実的には「?」となるシーンだが、何故か好きなこの距離感。

病室に駆け込まなかったのは大人の気遣い?
二人の笑顔をキャッチするお母さんはさすがだ



◾️エンディング

特に何か大きなことを成し遂げた訳でもないのに、ネコバスに揺られる二人を見て湧き上がるこの爽快感と高揚感は何なんだろう。エンドクレジットで描かれるその後も味わい深く、鮮烈な余韻を残してくれる。

二人の素晴らしき表情!大好きな場面
一皮むけたカンタの今後が楽しみ!
お母さんの退院後を中心に描くエンドクレジット



先日の金曜ロードショーで数十年ぶり、三度目の鑑賞をしました。数十年ぶりの鑑賞でしたが、どの場面も明確に覚えていました(忘れっぽいボクは映画のラストシーンで「あ!これ前に観たやんか!」て気づくことすらあるのに)。それでいながらどの場面にも新鮮かつ衝撃的感動をくらい、最後はやっぱり涙止まんないすよ!

涙が溢れ出る理由も分からないんですが、これこそが日本人が知らず知らずのうちに起き忘れてきたものすべてがこの作品に詰まっている証なんでしょうね。


おそらく、ほとんどの方に『となりのトトロ』にまつわる思い出があるのではないでしょうか?それほど子供から大人まで幅広い人に愛されている作品だと思います。それこそ映画ファンという縛りを抜きに万人に愛される『となりのトトロ』。これこそが"真の国民的作品"なんでしょうね!