これが日本劇場未公開ビデオスルー?どういうこと!?

1981年 監督/ ピーター・ハント

007シリーズ第6作『女王陛下の007』ピーター・ハント監督作品。第一次大戦後の1931年、カナダ北極圏近くの山小屋に住む元特殊部隊の男が、些細なことから町民に逆恨みされ、町や警察騎馬隊までに追われる実話の映画化なんですけど、男気に溢れメッチャ熱くて面白い作品です!

なんか設定が『ランボー』なんですよね。翌年に『ランボー』が製作されている事から本作品が影響を与えたと思いたいです!地味な展開でジワジワ迫るヤツかと油断していると結構やられますよ。B級映画ギリギリのきわどい線をキープしながら、メッチャ快調に飛ばしてくれます!

主演は、逃げる元特殊部隊の男ジョンソンにチャールズ・ブロンソン、追う警察騎馬隊長ミレンにリー・マーヴィンという二大スターの共演です!


【この映画の好きなとこ】

◾︎山小屋襲撃
元特殊部隊員とあって、まさにランボーばりの活躍が突如始まるんですもん!急にテンション上がりますよ!
開けてビックリ!うそー!そんなとこにいる!?
ダイナマイトで吹き飛ばされた山小屋から無傷で飛び出すジョンソン!カコイイ!!

◾︎通じ合うふたり
土地への執着や、正当防衛でしか人を殺してないことを理解している警察隊長ミレンは、ジョンソンにリスペクトとシンパシーを抱いている。追われるジョンソンと追うミレンが双眼鏡を覗いた時に2人の視線と心が通う名シーン!
ことばは
いらない

◾︎空軍との対立
空軍大尉のタッカーが指揮を執り、ミレンらを配下に置こうと目論むも対立。新たな緊張が生まれいい展開!
ミレンが譲らないのは、ジョンソンを理解しているのは自分だけと自負しているから

◾︎ビル・ルース(ヘンリー・ベックマン)  
ある意味、本作で最も興味深い人物!警察に追われる事態を予測しジョンソンに逃げるよう勧めたが、彼の首に賞金がかかると狩る側にまわる。
クライマックスでもある重要な役割を果たし、見事な伏線回収もこなします

◾︎焚き火にて  ※ネタバレ
町民から「一緒にジョンソンを追わないか?」と誘われるもビルは「ひとりでやる」と町民2人を射殺!世間を騒がせている金歯泥棒である事実も披露され、実は恐ろしいサイコパスである事がわかる戦慄のシーン。
マジヤバいやつ

◾︎大ジャンプ!!
飛行機から浴びせられる機関銃で崖に追い詰められたジョンソンが見せる決死の大ジャンプ!すげー!
あれ?
やっぱ『ランボー』だよね

◾︎仲間割れ
タッカーが乱射する飛行機搭載機関銃の弾丸が、ミレンの仲間であるサンドッグに当たる。元々嫌ってたタッカーめがけ、迷わず撃ち返すミレンとアダムスが凄い!おもしろい!
タッカーてめー!!バキュン!
どかーん!!

◾︎再び対峙するふたり 
国境間近で対峙するジョンソンとミレン。ミレンの銃がジョンソンを捉え、またここで交わされる無言のやりとりが最高なんです!
逃げたら撃つぞのミレン!

一歩踏み出せば国境越達成だけど、ミレンの赦しなしに逃げようとはしないジョンソン!コレはミレンへのリスペクト!カコイイ!
ミレンをジッと見据え答えを待つ…

◾︎結末   ※超絶ネタバレ!マジ注意!
銃を下げジョンソンを見送ったミレン。事の顛末を察した若い部下アダムス巡査に「オレはもう歳だから引退する。ここの始末はお前に任せるから好きなようにしろ」と、逃亡ほう助をした自分の処罰と、足元に転がる死体をジョンソンとするか、すべての判断を委ねるミレン。
殺気立った町民が迫ってくるなか、アダムスはどう判断処理する??

まさにおもしろい映画です!激熱シーン多数ですが、肩を張らずに気軽に観られる作品でもあります!ジョンソンとミレンの奇妙な関係がなんともおもしろく、"あわよくば国境を越えて欲しい"と願いながらも職責を果たさなければならないミレンには同情しちゃいますね。

『ランボー』との類似点を指摘しましたが、その『ランボー』の原題(FIRST  BLOOD = "先に仕掛けたヤツ"を意味する)までもが、本作のテーマと合致してますよね?ジョンソンも犯罪者に仕立て上げられた被害者です。でも悲壮感がなく、スッキリしたエンディングがまた好きなんですよねー。

カナダの壮大な景色もたっぷり楽しめますから、ぜひご覧ください!コレ観ないのはマジでもったいないです!

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