戦っているのはアメリカだけではない

2013年 監督/ ピーター・バーグ

2005年にアメリカ軍精鋭特殊部隊ネイビーシールズが決行し"ネイビーシールズ史上最大の悲劇"と呼ばれたタリバン指導者暗殺計画"レッド・ウィング作戦"を描いた実話に基づく物語

わずか4人の兵士を200人のタリバン兵士が囲むんですもん、そりゃおっそろしいですよね。最初の20分は、兵士の訓練や、日常をドキュメンタリータッチの映像で紡いでくんだけど、なんか退屈してしまって、あ、コレ合わないヤツかなとか思い始めたら、そこから一気に面白くなって、ラストまで心臓バクバクで釘付けになっちゃいましたよ!

監督が『マイル22』ピーター・バーグで、主演が『マイル22』のマーク・ウォールバーグか…ん??なんとこの2人、本作含め4本もの作品で組んでいるんですね(そういや『パトリオット・デイ』もおもしろかったなあ)
戦争モノは嫌いじゃないけど、やはりヘビーな題材故に体調の良い時を選んで観ております。だから未見の作品がたっくさんあるので、戦争モノを語ることなど出来ませんが(言いますよ)…本作はこれまで観た戦争モノでトップクラスの作品です!とにかく臨場感と緊張感が半端ないです!
ジワジワ来る恐怖感と、とんでもない大銃撃戦!
戦場に放り込まれてみましょう!


【この映画の好きなとこ】

◾︎シールズ・ミーツ・タリバン
山岳地帯で村を偵察しているネイビーシールズの元に、山羊飼いの現地人数名が接近!身を隠す緊張感が半端なくバリバリ目が覚めた!派手な戦闘ばかりでなく、こういう地味な緊張感が戦場には常にあるんだろうなと新味すら感じます。
来るなよ…
じわじわ…

◾︎解放
一時は現地人を縛り拘束するも、報復覚悟で解き放す。岩場を足早で器用に降りて行く少年に嫌な予感しかしません!恐る恐る後ろを振り返りながら山頂を目指す一行の緊張感がマジ伝わる。
いうたろー
嫌な予感がする…

◾︎タリバンの報復
驚異的速度でネイビーシールズを囲む200人ものタリバン兵士!静かに忍び寄る姿に戦慄!

◾︎断崖へダイブ!
断崖へ追い詰められ逃げ場を失ったネイビーシールズ達が見せる必死のダイブ!岩肌や雑木林、地面に叩きつけられながら転げ落ちる容赦ないリアリズム!ビビります!




◾︎マーフィ大尉の覚悟
無線電波をキャッチ出来る高台へ、命がけで向かうマーフィ大尉!直前に交わすマーカスとのやり取りもいいなあ。
被弾、骨折でボロボロなのに銃弾飛び交う中這い進む

◾︎現地人親子
2000年にも渡り継がれてきた部族の掟"パシュトゥーンワーリ"を守り、タリバンからアメリカ兵を命がけで救った親子との別れ。
戦っているのはアメリカだけではない
言葉は通じないけど心で通じてますね!
地獄からの生還に泣きじゃくり、"Thank You"しか言えないマーカス

◾︎エピローグ
エンドクレジットで、映画のモデルになった実在の隊員たちが映し出されます。マーカスは、命がけで助けてくれた現地人と2010年に再会を果たしてるんですね!
実際の2人

戦争映画を観ると、現在の境遇や生活に感謝せずにはいられなくなりますよね。戦争反対を唱えながらも無くならない戦争。戦場を体験した人にしか、やっぱりわからないものなんですかね…

しかし劇映画としては見応え十分!あなたの時間を決して無駄にはしませんよ!戦闘というよりは、タリバン兵士によるアメリカ人狩りと言った方が適切に感じる程おっそろしく、ネイビーシールズ隊員たちはこれでもかってくらいズタボロになります!ホントの戦争って大砲や地雷の爆発ばかりではなく、日常の至る所に恐怖と暴力が渦巻いているんだろな…って感じ。
しかし、隊員同士の結束の強さ、そして目的を達成する為には、己を犠牲にすることも厭わない家族愛、チーム愛が激アツに描かれています!
男なら惚れずにはいられない、彼らの神々しい姿にコテンッていっちゃってください!ピーター・バーグ監督作品気に入ったので、少し漁ってみようかな。


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