大井戸は異形もありますが、いくつかのパターンに分けられます。
ただし、勘違いしてはならないのは、一つの茶碗でも見る方向によって多少のズレがある、つまり、ひと所として同じ形ではないということです。
これは重要なことなのですが、「唐物茶碗」とも「和物茶碗」とも違い、正円でも沓形でもなく、非対称のやや歪みのあるのが、この「高麗茶碗」の大井戸なのですね。
そのためか、「高麗茶碗」の大井戸は「静の中に動、動の中に静」を感ずるのです。
どっしりとして静かではあるが動きがあり、動きを感ずるとともに静かな趣が感じられるのです。正に茶席にピッタリの茶碗です。
さて、二の枇杷色(びわいろ)、これは当時流行った「醤手(ひしおで)」に似た色ですが、やや白いものから、やや濃いものまでいろいろな色があります。ひと色ではありません。
お付き合い下さり、ご講読ありがとうございました。
ではまた。
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