この二の枇杷色(びわいろ)も、焼き上がったときから、その色合いが出ているわけではありません。使ううちに徐々に変化していって、あのなんともいえない風合いが醸し出されてくるのです。
近頃は、その風合いを色付けして売りに出す陶器職人がおりますが、言語道断!
その変化を楽しむのが茶の湯者のはずですが、残念ながらそういう楽しみを味わおうとする茶の湯者がいなくなったということもあるのでしょうね。
さて、茶碗の内側と外側の口辺から腰にかけての茶碗の胴に4~5段の筋がゆったりと付いているのが見えます。これが三の轆轤目(ろくろめ)で、見所の一つとなっています。
この轆轤目の微妙な揺らぎが、大井戸の形を際立たせる役目を担っているのです。
たっぷりとゆったりと感じさせているのが、この揺らぎで、しかも、「静の中に動、動の中に静」を感じさせているのもこの揺らぎの轆轤目なのですね。
お付き合い下さり、ご講読ありがとうございました。
ではまた。
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