この記事は再編集してこちら に記載しております。
http://www.i-souzoku.net/column/senkyo/index.html





















 行政書士の大越です。


 前回からの 続きで、今回は、投票用紙に名前を書き間違ってしまったらどうなるのか、考えたいと思います。

 今回は、投票用紙に、名前以外のことが記入されていた場合


今回も、次のような候補者が立候補者に対して投票した場合で考えてみます。

 

* * * * * * * *

  政 党:草加党
  名 前:大越 隆司(おおこし たかし)
  住 所:埼玉県草加市草加3―3-31
  職 業:行政書士

   ※大越隆司は、実際に選挙に立候補する予定はありません。

* * * * * * * *


投票用紙の記載

判定

備   考

草加党


政党名のみの記載の場合は、他に同じ政党の候補者がいない場合は、選挙長が判断する。

比例代表選挙などを除く

大越 隆司 殿


敬称を記載しても有効

大越 隆司


丸文字などで書いても、常識的に見て、文字として読めれば有効


×

」は、名前の一部でも敬称でもないので、他事記載となり、無効

はげたおじさん

×

身体の特徴は、他事記載となるので、無効

たかちゃん

×

()

()

あだ名は、どの候補者なのか正確な判断がつかないので、無効。ただし、有権者に広く浸透していると思われる場合は、選挙長の判断などで有効となる場合がある。また、予め通称使用の届出をしてある場合は有効

草加市草加3丁目

大越 隆司


名前に加えて、住所を記入しても有効。ただし、記入した住所が間違っていた場合は無効。

行政書士

大越 隆司


名前に加えて、職業を記入しても有効。ただし、記入した職業が間違っている場合は無効。

行政書士


職業のみの場合は、他に同じ職業の候補者がいなければ、選挙長が有効・無効を判断する。

代書屋

大越 隆司

×

「代書屋」は俗語(スラング)で、正式な職業名とは言えないので、無効

大越隆司

に投票します。

×

『に投票します。』の部分が他事記載となり、無効

大越隆司

に投票しません。

×

『投票しません。』の部分が他事記載となり、無効

大越隆司のバカ

×

『のバカ』の部分が他事記載となり、無効


■ポイント(1) あだ名、通称、ペンネームは有効になる?


 立候補者のあだ名や通称、ペンネームなどが書かれていた場合、原則として無効となります。


 ただし、そのあだ名や通称が広く有権者に広く浸透している場合は有効と判断されることもあります。有効・無効の判断は、最終的に各開票所に配置されている選挙長が行います。

 過去には、ライブドアの元社長・堀江貴文氏が衆議院議員に立候補した選挙では「ホリエモン」と書かれた票が有効と判断された例があります。

 他には、プロゴルファーの横峯さくら氏の父親・横峯良郎氏が参議院議員に立候補した選挙では、「さくらパパ」と書かれた票が有効と判断されています。

 タレントなどが立候補する場合、名前に加えて芸名などを通称としてあらかじめ選挙管理委員会に届出し、承認を受けていれば、その通称での選挙活動や投票ができるようになります。

 元大阪府知事の横山ノック氏や、岩手県議会議員のザ・グレートサスケ氏など、本名以外の名前で政治活動する政治家は、この届出をすることになります。



■ポイント(2) 投票用紙に名前以外のことを書くと無効になる

 投票用紙に、候補者の名前に加えて書いても無効にならないものは、政党名・敬称・住所・職業のみです。


 投票用紙にこれ以外のものを記入すると、『他事記載』といって、名前が間違っていなかったとしても、全て無効となります。


 具体的には、「~に投票します」「~さん、頑張ってください」などの言葉や、などの記号や装飾、似顔絵やイラストなども、投票用紙に書かれていた時は、全てその票自体が無効になります。



※おことわり※
 この記事での票の有効・無効の判断は、法令と過去の事例を参考にして当事務所が独自に行ったものです。

 実際の選挙ではこの記事の内容と異なる判断がなされる場合があります。
 また、この記事は投票用紙への変則的な記入を推奨するものではありません。選挙では、大切な一票を無駄にしないためにも、立候補者の名前を正確に記入してください。



この記事は再編集してこちら に記載しております。
http://www.i-souzoku.net/column/senkyo/index.html






















行政書士の大越です。


前回からの 続きで、今回は、投票用紙に名前を書き間違ってしまったらどうなるのか、考えたいと思います。

今回は、投票用紙に記入された名前に誤字・脱字があった場合。



今回も、次のような候補者が立候補者に対して投票した場合で考えてみます。


* * * * * * * *

  政 党:草加党
  名 前:大越 隆司(おおこし たかし)
  住 所:埼玉県草加市草加3―3-31
  職 業:行政書士

   ※大越隆司は、実際に選挙に立候補する予定はありません。

* * * * * * * *



投票用紙の記載

判定

備   考

大走 隆司


「越」と「走」を書き間違えたことが明らかと思われるので、有効

大越 孝史


名前の漢字を間違ったと考えられるので原則として有効。ただし他に「孝史」という漢字の候補者や、有名人・芸能人がいる場合は無効

大越 太郎


他に「太郎」という名前の候補者や、有名人・芸能人がいる場合は無効。

だいえつ

りゅうじ

×

()

名前の読み間違いとしては考え難いので、無効。ただし、あらかじめこの読み方で通称使用の届出を提出してある場合は有効。



■ポイント 投票用紙に書いた名前に誤字脱字があった場合はどうなるのか


 投票用紙に記入する候補者の名前を書き間違っても、明らかな誤字脱字であれば有効になります。


 ただし、常識的にみて、誤字の範囲を超えていて本当にその候補者を指しているのか疑わしいと判断された場合は、無効になります。


 具体的手続は、判断に迷う票があった場合、選挙長が、各立候補者の派遣した投票立会人の意見も聞いて、判断することになります。


 過去には、鳥取県智頭町の町議会議員選挙で、「オカラ」と書かれた票が、立候補者の岡田和彦氏を指すものとして当初は有効とされたものの、その後の異議申立による審査で無効とされた例があります。



 次回は、「投票用紙に、立候補者の名前以外のことが記入されていた場合はどうなるのか?」について考えたいと思います。
 すこし、長くなりますが、いちばん面白いところでもあります。よろしければ、また見て下さい。


※おことわり※
 この記事での票の有効・無効の判断は、法令と過去の事例を参考にして当事務所が独自に行ったものです。

 実際の選挙ではこの記事の内容と異なる判断がなされる場合があります。
 また、この記事は投票用紙への変則的な記入を推奨するものではありません。選挙では、大切な一票を無駄にしないためにも、立候補者の名前を正確に記入してください。

この記事は再編集してこちら に記載しております。
http://www.i-souzoku.net/column/senkyo/index.html

















行政書士の大越です。



前回 の続きで、投票用紙に名前を書き間違ってしまったらどうなるのか、考えたいと思います。

今回は、投票用紙に記入された名前が不完全な場合。



次のような候補者が立候補者に対して投票したとします。


* * * * * * * *

  政 党:草加党
  名 前:大越 隆司(おおこし たかし)
  住 所:埼玉県草加市草加3―3-31
  職 業:行政書士

   ※大越隆司は、実際に選挙に立候補する予定はありません。

* * * * * * * *


そして、投票用紙の記入に対して、判断は次のようになります。



投票用紙の記載

判定

備   考

大越 隆司


有効

おおこしたかし


ひらがな・カタカナでも有効

おおこし 隆司


漢字とかなが混在しても有効

大越


名字だけでも、他に「大越」という名字の候補者がいなければ有効。いる場合は按分(あんぶん)する。

おおこし


名字のよみがなだけでも、他に「おおこし」という名字のよみがなの候補者がいなければ有効。いる場合は按分(あんぶん)する。

隆司


名前だけでも、他に「隆司」という名前の候補者がいなければ有効。いる場合は按分(あんぶん)する。

たかし


名前のよみがなだけでも、他に「たかし」という名前のよみがなの候補者がいなければ有効。いる場合は按分(あんぶん)する。

おお


()

他に「おお」という名前のよみかたが含まれる候補者がいなければ有効。いる場合は按分(あんぶん)する。ただし、選挙長が無効と判断する可能性もある。



一文字では、どの候補者を指すのか判断が難しい。選挙長が判断する。



■ポイント 名前の記入が不完全な票はどう判断するか??



 たとえば、「大越 隆司(おおこし たかし)」「大越 博(おおこし ひろし)」という名字が同じ2人が立候補した選挙で、「おおこし」とだけ記載された投票用紙があった場合は、どちらの候補者に投票したものなのかわかりません。


 このような場合は、「おおこし」と書かれた1票を、二人の候補者で得票数に応じて分けます


 これを「按分(あんぶん)する」といいます。選挙の開票結果を見ると、1票単位であるはずの得票数に、小数点以下の数字があることがあります。これは、票の按分が行われた時に起こります。按分は、立候補者数が多く、また同姓や同名の候補者がいることが少なくない市町村議会の選挙では、まれに見られます。


 次回は、「記入された名前が間違っていた場合はどうなるのか?」について考えたいと思います。


※おことわり※
 この記事での票の有効・無効の判断は、法令と過去の事例を参考にして当事務所が独自に行ったものです。

 実際の選挙ではこの記事の内容と異なる判断がなされる場合があります。
 また、この記事は投票用紙への変則的な記入を推奨するものではありません。選挙では、大切な一票を無駄にしないためにも、立候補者の名前を正確に記入してください。