神の像 illusion 『神の見る夢』より |  ソラいろのタネ ソラ〜宇宙〜のアトリエ

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ソラ〜宇宙〜のアトリエ 主宰
SPACE・SOLA〜宇宙〜 プロデューサー 
繪と写真と言葉という表現を通して、
誰もが幸せを感じて生きるための気づきやきっかけを届けています。
豊かな世界を共に創るためのスペースをプロデュース。

あなたが


心から湧き上る信仰心から


真の神の姿を探し求める為


世界中の 聖地 寺院 教会を旅しようと決心して


ある日 旅立つのです




一年 二年と過ぎ


数多くの経典を学び


数えきれぬ程の 神の絵画や彫刻を見てもなお神を求める心はやまず


あなたは さらに次の寺院を訪ねようとします



けれども 手持ちのお金は底を尽き


宿もとれぬばかりか 食物さえ買う事も出来ません



精根尽き果て


あなたは ついに旅の途中で倒れてしまうのです


目も見えず 意識も薄れ


「死人のように」道ばたにころがっているのです


やせ衰え ボロボロになったあなたに 気づく人は誰もいないのです




その時


一人の男があなたの側へ来て 手を取ってくれるのです


あなたを抱き上げ 彼の粗末な寝床まで運ぶと


食べかけのパンと水を あなたに分けてくれるのです



彼は 定まった職も無くその日暮らしの貧しき者でした


おまけに 彼は信仰心を持たぬばかりか


神の事など考えた事もない 無学で無教養な者でした



勿論 彼には あなたが神を探して旅をし


行き倒れになっている事など 思いもよりません


ただ 道に倒れているあなたを見過ごせず 手厚く介抱してくれるのです




彼の腕の中 乾いた唇に水を飲ませてもらいながら


あなたは虚ろな目で彼を見て こう思うのです



「神のおかげだ」 と


「神が私の為に この哀れな男を使い 私の生命を救ってくれたのだ」 と



あなたに 水やパンを与えてくれる彼の姿など目に入らぬように


数々の寺院や教会で見た 神の絵画や彫刻を思い浮かべては


ひたすら礼を言い続けるのです




しかし あなたが祈り続けた絵画の神や彫刻の神は


あなたが倒れた時に 一滴の水でも与えてくれたでしょうか



何よりもあなたの生命を救う為に 必要だったのは


無学で信仰心を持たぬ 彼が与えてくれたパンと水ではなかったでしょうか


けれども あなたはそれに気づこうとはしないのです




真の神の姿は あなたを介抱してくれた 彼の優しさの中にあるのです




神は




あなたを道端から抱き起してくれた 彼の腕であり


あなたの乾いた唇に水を与えてくれた 彼の手そのものなのです




そして


あなたの生命を助けようとする


彼の思いやりの心と 思いやりの仕草 それが神の姿なのです




神は




人の優しさと 思いやりの中にあるのです




あなたが全てのものに対して


感謝の心を持つ事が出来るなら




神の姿を




人ばかりでなく 全てのものの恵みの中にも発見出来るのです




普段 気にも留めなかった衣服 毎日の食物 住まいに対し


感謝の心を持つ事が


神の恵みを知る一番の早道である事を知るでしょう




それは 決して動かぬ絵画や彫刻の神からは


得られない愛と喜びを あなたにもたらす事でしょう




長い時間を費やし


長い距離を歩いた あなたの神への旅は


ここで初めて 終わりとなるのです




あなたは もう


神を求めて 多くの寺院や教会を旅する必要はないのです




神は




あなたが何処にいようと 何をしようと


あなたのすぐそば


それはあなたの心の中に 見出す事が出来るのですから









love art

    






昨日、お友達とお話ししている時にふっとこの詩を思い出して。


再掲載してみました。


合田和厚著作集『神の見る夢』からの一篇の詩。


詩と言うよりも、やっぱり私には人生の哲学のようなもで。


幼いころからずっとこんな世界を感じながら生きてきました。



「山川草木悉皆成仏」の世界がぎゅっとここにあって。


量子の世界があって。


心経の世界があって。


引き寄せの法則さえもここにある。


すべてがここにギュッと・・・エッセンスのように散りばめられていて。



全ての中に光や仏性・・・神を見出すとき。


愛や真理を見出すとき。


その瞳は世界をリアルにリアルに


見つめていられるんだと思う。



そんな風にリアルにこの世界を見つめながら毎日をささやかに生きていければ。


それだけで。


しあわせ。



愛はどこか遠くにあるのではなく。


真理は遥か彼方にあるのではなく。



ここに。



今、ここ。 に。