ちょうど1週間前の7月6日、友愛会でもお世話になっている荒木忠直さんからお声がけいただき、千葉県鎌ケ谷市の非核平和都市宣言40周年の記念行事「平和と文化のつどい」で「ひろしまのピカ」43回目を上演させていただきました。
この会は、市民有志で実行委員会を立ち上げていると聞きました。何度も実行委員会をひらき、みんなで協力し合ってこの日を迎えたことが、現場に入ると、ひしひしと伝わってきます。会場準備、リハーサルを経て、本番へ。
暑い暑い日でしたが、多くの方々が会場に足を運んでくださいました。
実行委員長の挨拶、それから鎌ケ谷の市長・議会長・教育長からの挨拶があり、続いて地元の高校生が鎌ケ谷市非核都市平和宣言を朗読しました。
鎌ケ谷市で活動する合唱団、女声コーラス「ハミングバード」のみなさん。
ソプラノ歌手でもある河内夏美さんの指揮で、四季折々のふるさとの歌、そして「この街で」が披露されました。
そして、6歳のときに被爆された小谷孝子(こたに・たかこ)さんが弟のあっちゃんと語る、被爆体験。小谷さんは幼稚園教諭のときに腹話術と出会い、いまはその腹話術で、ご自身の被爆体験を各地の小中学校で語っておられます。明るく朗らかでやさしくて・・・こんな人が原爆の被害に遭われているなんて。
ずっと親しくさせていただいているのに、私はこの日初めて客席で小谷さんのお話を聞きました。小谷さんとあっちゃんの人としてのあたたかさが心にしみます。涙が出ました。
その涙をぬぐってくれたのは、さきほど鎌ケ谷市非核都市平和宣言を朗読してくれた高校生Kさんの美しく澄んだ歌声、「長崎の鐘」。
そしていよいよ、「ひろしまのピカ」。
司会の鎌ケ谷市の大学生Yさんの紹介で壇上へ。
はじめに、元特別支援学校教員・三田政明の原爆についての解説。
あの日、広島の爆心地近くには建物疎開作業に駆り出されていた多くの生徒たちがいて、原爆の犠牲になりました。
そして、丸木夫妻について。
ヒロシマの惨状を見た画家丸木位里・丸木俊さんは「原爆の図」全十五部を描いていきます。
のちに丸木俊さんは、子どもたちにもこの惨状を伝えるべく絵本「ひろしまのピカ」をつくりあげたのです。
丸木俊さんの語り。
27年ほど前の北海道の小さな町で実際に起きた「原爆の図」展覧会での出来事。
絵本「ひろしまのピカ」
日がくれました。夜がきました。
この原子爆弾でしんだのは、日本人ばかりではありませんでした。
むりに日本につれてこられ、はたらかされていた朝鮮のひとも、おおぜいしんだのです。
ピカのとき、ながれていったひとのように
いまは、とうろうがながれてゆくのです。
再び、丸木俊さんの語り。
この「ひろしまのピカ」は、このおばさんの話を基にし、
私が見たり聞いたりした たくさんの原爆体験を織りあわせてつくりあげたものです。
こうして、43回目の「ひろしまのピカ」を鎌ケ谷市で聞いていただきました。
どんなところでも、どんな規模でも、私たちはこの絵本を語りにいきます。
会場には原爆のパネルや資料がずらりと並べられ、長崎の城山小学校からの「被爆瓦」が展示されていました。
「ひろしまのピカ」関連書籍・CDも置かせていただきました。
朗読後、絵本をお買い上げくださったお客様と。
このあとも、さまざまな人たちがお声をかけてくださいました。
絵本を孫にもみせたいとか、自分には何ができるかと考えてくださった方も。
「ひろしまのピカ」をぜひうちでもやってほしいとのお申し出もありました。
そうして私がみなさんと話しているときに、二人の少女がじっとすみのほうでこちらを見ています。
「こんにちは」
「あの、私の通っている〇〇〇中学校でも『ひろしまのピカ』をやってください」
え?
二人の少女は姉妹でした。
お姉さんのMさんは中学三年生、妹さんのYさんは中学二年生。
Mさんは今年の夏、中学校の生徒代表として長崎の平和祈念行事に参加する予定で、その前に原爆のことを知っておきたいと今日のつどいに参加してくださったとのこと。
それにしても、中学生から依頼されるなんて初めてのこと。
私はあわててお二人の中学校の名前を聞いて書き留めました。
いろいろなご縁がひろがってつながっていきます。
今回、「ひろしまのピカ」の舞台写真を撮ってくださったのは実行委員会の河内一朗さん、そしてそれ以外のイベント写真は荒木忠直さんからご提供いただきました。舞台関係は大岩さん、松原さん、全体の進行では瀧口実行委員長はもちろんのこと、受付も物販もみなさまに大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。
鎌ケ谷市非核平和都市宣言40周年記念行事実行委員会のみなさん、そしてご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暑い暑い夏が始まっています。
まだまだご案内したいことがたくさん、あります。
おってお知らせしますね。
大切な夏が、来ている。
79年目の夏。
2024年8月6日 原爆の図丸木美術館にて
「ひろしまのピカ」朗読します → ひろしま忌