一月廿日
曇、唐津市街行乞、宿は同前。
九時過ぎから三時頃まで行乞、
今日の行乞は気分も所得もよかつた、
しみ/″\仏陀の慈蔭を思ふ。
こゝの名物の一つとして松露饅頭といふのがある、
名物にうまいものなしといふが、
うまさうに見える(食べないから)、
そしてその本家とか元祖とかいふのが方々にある。
小鰯を買つて一杯やつた、
文字通り一杯だけ、昨夜の今夜だから。
・けふのおひるは水ばかり
・山へ空へ摩訶般若波羅密多心経
晩食後、同宿の鍋屋さんに誘はれて、唐津座へ行く、
最初の市議選挙演説会である、
私が政談演説といふものを聴いたのは、
これが最初だといつてもよからう、何しろ物好きには違ひない、
五銭の下足料を払つて十一時過ぎまで謹聴したのだから。
一月廿一日
曇、いよ/\雨が近いことを思はせる。
貯へを持たないルンペンだから、ぢつとしてはゐられない、
九時半から三時半まで行乞。
近松寺に参拝した、
巣林子に由緒あることはいふまでもない、
その墓域がある、
記念堂の計画もある、
小笠原家の菩提所でもある、
また曽呂利新左衛門が築造したといふ舞鶴園がある、
こぢんまりとした気持のよいお庭だつた。
今日は市議選挙の日、
そして第六十議会解散の日、市街至るところ号外の鈴が響く。
唐津といふ街は狭くて長い街だ。
おいしい夕飯だつた、ヌタがおいしかつた、
酒のおいしさは書き添へるまでもあるまい。
この宿はしづかできれいであかるくていゝ、
おそくまで読書した、
久しぶりにおちついて読んだ訳である。
毎日、彼等から幾度か不快を与へられる、
恐らくは私も同時に彼等に不快を与へるのだらう――
それは何故か――
彼等の生活に矛盾があるやうに、
私の生活に矛盾があるからだ、
私としては、当面の私としては、
供養を受ける資格なくして供養を受ける、
これが第一の矛盾だ!
酒は涙か溜息か、
たしかに溜息だよ。
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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