山頭火の「行乞記」昭和7年ー1/11 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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【南無大師遍照金剛】 * 7

一月十九日

 曇、行程二里、唐津市、梅屋(三〇・中)

宇佐-25


午前中は浜崎町行乞、

午後は虹の松原を散歩した、

領巾振山は見たゞけで沢山らしかつた、

情熱の彼女を想ふ。


唐津といふところは、

今年、飯塚と共に市制をしいたのだが、

より多く落ちつきを持つてゐるのは城下町だからだらう。


松原の茶店はいゝね、

薬罐からは湯気がふいてゐる、

娘さんは裁縫してゐる、松風、波音。……


受けとつてはならない一銭をいたゞいたやうに、

受けとらなければならない一銭をいたゞかなかつた。

 

雲流水、雲のゆく如く水の流れるやうであれ。

・初誕生のよいうんこしたとあたゝめてゐる
・松に腰かけて松を観る
・松風のよい家ではじかれた

 

此宿はおちついてよろしい、

修行者は泊らないらしい、また泊めないらしい、

しかし高い割合にはよくない、

今夜は少し酔ふほど飲んだ、焼酎一合、酒二合、

それで到彼岸だからめでたし/\。


虹の松原はさすがにうつくしいと思つた、

私は笠をぬいで、鉄鉢をしまつて、

あちらこちら歩きまはつた、

 

そして松――

松は梅が孤立的に味はゝれるものに対して

群団的に観るべきものだらう――を満喫した。
げにもアルコール大明神の霊験はいやちこだつた、

ぐつすり寝て、先日来の不眠をとりかへした。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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