一月十五日
曇、上り下り七里、赤坂、末松屋(二五・中)
雷山千如寺拝登、九州西国二十九番の霊場。
・山寺の山柿のうれたまゝ
今日は近頃になく労れた、
お山でお通夜を阻まれ、前原で宿を断はられ、
とう/\こゝまで重い足を曳きずつて来た、
来た甲斐はあつた、よい宿だつた、
同宿者も好人物だつた、たとへ桶風呂でも湯もあつたし、
賄も悪くなかつた、火鉢を囲んで雑談がはづんだ、
モンキの話(猿)長虫の話(蛇)等、等の縁起話は面白かつた。
雷山の水もよかつたが、油山には及ばなかつた、
この宿の水はよい、
岩の中から湧いてくるのださうな。
先日来、御馳走責で腹工合が悪かつたが、
アルコールをつゝしみ水を飲み、
歩いたので、殆んどよくなつた、
健康――肉体の丈夫なのが私には第一だ、
まことに『からだ一つ』である、その一つを時々持て余すが。
一月十六日
雨后晴、寒風、宿は同前(二五・中)
雨だ、風だ、
といつてぢつとしてゐるほどの余裕はない、
十時頃から前原町まで出かけて三時頃まで専念に行乞する、
一風呂浴びて一杯ひつかける。
句稿を整理して井師へ送る、
一年振の俳句ともいへる、送句ともいへる、
とにかく井師の言のやうに
私は旅に出てゐなければ句は出来ないのかも知れない。
前原も田舎町だ、
本通の新道は広々としてゐるけれど、
自動車々庫がヤタラに多い、
しかし今日の行乞相は上出来だつた、
所得も悪くなかつた。
朝も夜も、面白い話ばかりだ
――女になつて子を生んだ夢の話、
をとこ女の話、
今は昔、米が四銭で酒が八銭の話。……
・いつまで旅する爪をきる
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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