山頭火の「行乞記」昭和7年ー1/8 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

一月十五日

 曇、上り下り七里、赤坂、末松屋(二五・中)

宇佐-25
雷山千如寺拝登、九州西国二十九番の霊場。

 

・山寺の山柿のうれたまゝ

 

今日は近頃になく労れた、

お山でお通夜を阻まれ、前原で宿を断はられ、

とう/\こゝまで重い足を曳きずつて来た、

 

来た甲斐はあつた、よい宿だつた、

同宿者も好人物だつた、たとへ桶風呂でも湯もあつたし、

賄も悪くなかつた、火鉢を囲んで雑談がはづんだ、

モンキの話(猿)長虫の話(蛇)等、等の縁起話は面白かつた。


雷山の水もよかつたが、油山には及ばなかつた、

この宿の水はよい、

岩の中から湧いてくるのださうな。


先日来、御馳走責で腹工合が悪かつたが、

アルコールをつゝしみ水を飲み、

歩いたので、殆んどよくなつた、

健康――肉体の丈夫なのが私には第一だ、

まことに『からだ一つ』である、その一つを時々持て余すが。
 

一月十六日

 雨后晴、寒風、宿は同前(二五・中)


雨だ、風だ、

といつてぢつとしてゐるほどの余裕はない、

十時頃から前原町まで出かけて三時頃まで専念に行乞する、

一風呂浴びて一杯ひつかける。


句稿を整理して井師へ送る、

一年振の俳句ともいへる、送句ともいへる、

とにかく井師の言のやうに

私は旅に出てゐなければ句は出来ないのかも知れない。


前原も田舎町だ、

本通の新道は広々としてゐるけれど、

自動車々庫がヤタラに多い、

しかし今日の行乞相は上出来だつた、

所得も悪くなかつた。


朝も夜も、面白い話ばかりだ

――女になつて子を生んだ夢の話、

をとこ女の話、

今は昔、米が四銭で酒が八銭の話。……

 

・いつまで旅する爪をきる

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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