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おべんとう作家 尾原聖名

おべんとう作家。松山出身。
”食”に関わるすべてのもの(食べ手、作り手、食材、土、水、空間など)が
一枚の絵になるような時間をつくる”おべんとう作家”として活動を始めました。

 今月終わりは、この街を離れる人たちとちょこちょこ会うことが多かったです。初雪盃さんのお酒で最後のお見送り会をしました。

 「またいつか」と確かな約束もしないで別れますが、生きているからこそ、曖昧に出来るのかもしれません。

 

 今年初め、ゆうゆう農家のひろ子さんが亡くなりました。ヒートショックだったので、本当になんの前触れもなく、苦しまずに亡くなりました。ただ、ひとりで死なせてしまいました。

 その前日に電話で話していたので、本当に信じられませんでした。私がおべんとう作家として活動を続けられたのは、彼女が、私を訪ねてくれて「無農薬でいろいろ作っているんだけど、使ってくれない?」が始まりでした。彼女の活動がなければ、私の無農薬食材の調達は難しかったと思います。また、困った時はとりあえずひろ子さんに言おうと本能的に感じていました。遠慮もなく甘えられる人がまたひとりこの世からいなくなりました。

 年齢もありますが、まだら痴呆が始まっていたようで、忘れっぽくなってました。しつこいくらい電話して確認することがここ数年の習慣だったので、そういう意味ではよく連絡をとってたなあと思います。

 数年前から、満開に咲くナスタチュームを見ると、「聖名さん、ナスタチュームの種取っておいてあげるから植えなさいよ。」と言ってくれていて、判りましたというものの、毎シーズン忘れてるので、この秋もまた言われてましたが、「また言ってるな。」くらいでおりました。

 葬儀が終わり、娘さんが片付けをしていると私用に取ってたナスタチュームの種が出てきたと渡してくださいました。昨年に限ってそんなことあるのかと、ちょっと怖いなと感じました。

 

                             

 四十九日まではこの辺りをさまよってくれていて、私のところにも来てくれてると信じ、四十九日過ぎて、このナスタチュームの種を植えました。寒い日があり、芽吹かないかも?と思っていましたが、先週末に芽が出始め、今日は双葉も見えています。

 サヨナラばかりではない、ようこそこの世界へ!!と歓迎する出会いもある。春が希望ある癒しをくれますね。