やしまたろうの絵本。

やしまさんは、戦前、反戦運動によって弾圧されてアメリカに亡命した絵本作家。彼の作品には、故郷の鹿児島を懐かしむものがたくさんある。

この絵本は、村の小学校にいた、ちょっと変わった男の子の話。とても小さくて、「ちび」と呼ばれていて、勉強ができなくて、友達もつくれなくて、現実を見たくないからやぶにらみになって(ここの表現すごかった)、でも人間以外はものすごくちゃんと見ているんですね。今でいうADHDみたいな感じの子だったのでしょうか。

そんなふうに馬鹿にされて、6年生になったとき。いそべ先生という担任が、ちびの才能を見抜きます。自然について、生きものについて、ものすごく知識があるのです。しかも、勉強はできないけど、漢字を書かせたらオリジナルの漢字を作ってくる(笑)。

フツーの先生だったら、そんな成績にもならないことは評価しないか、ド叱られるところだけど、いそべ先生はおもしろがってくれるんですね。学芸会で、カラスの鳴き声を真似るんです。ただ真似るんじゃないですよ、赤ちゃん~大人のカラス、オスとメス、時間帯、さらには生息する場所別に鳴き分けるのです!すごいじゃないか、ちび!!

そんで、その発表を見た児童たちや父兄の人たちが、見直して感動して泣くんですよ。え、怖。あんたたち、昨日までバカにしてたじゃん。ホラー絵本…のつもりはないんだろうけど、私は集団の怖さというものを見せつけられたような気分で絵本を閉じました…。

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