やっと観れた~、新海誠監督のアニメ映画。

さすが冒頭から空と街と雨と、迫力のある映像美に安心して身を任せられますね~。と、急に大人にたかられる主人公の家出男子・ホダカ。身元のわからない人間には超~つめたい、東京のひりつくようなリアルが彼を襲います。うう~、自分が上京したばかりの頃を思い出すよ。人が冷たいよ~いじわるだよ~誰も助けてくれないよ~こんな東京砂漠で生きていけるのか自分…。しかも人生でいちばんおいしい夕食が、店員がおごってくれたハンバーガーって!かといって私がいま、ホダカみたいに事情を抱えた家出少年と出会ったら、いったい何ができるだろうか。どこまで踏み込んでいいものだろうか。うーむ…。

『君の名は。』にはなかった要素で、明らかに子どもの貧困を描こうとしている。あの子たちは、何も贅沢したいわけじゃなくて、フツーの生活したいだけ。ホダカの家庭環境には触れられないんだけど、生まれたときから貧困だと、それを所与のものとして受け入れてしまいますよね。自分にそれを変えていける力があるということを、信じられない。大人は何をやってんの?ホダカが拾うアレは、社会に対する、怒りのメタファーじゃないの?

で、「天気の子」というのは、帆高が出会った晴れ女・ヒナのこと。折しも異常気象で雨続きの東京。ホダカはヒナと、「晴れ女」ビジネスで金儲けを目論むんだけど、晴れ女というのは昔から人身御供として天に捧げられてきた存在で…。2人が下した決断に、私は拍手を送りました。私はあれでよかったと思う。だって異常気象の解決を子どもたちに背負わせる社会なんておかしいもの。

あの子たちが安心して青春を謳歌できるように、自分の生活から改善していきたい…とか考えちゃって、これすごい社会派アニメと思う。

 

 

 

●新海誠監督の映画


君の名は。 



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