『ＣＡＮＯＮ―カノン―』

ごとうしのぶ先生の超有名ＢＬ長編小説・タクミくんシリーズ第３巻。

今回は祠堂学院高校は夏休み。タクミは音楽会に出かけます。音楽会といってもＢＬですからそこらへんの趣味のサークル的音楽会ではなく、世界的に有名な天才少年バイオリニスト・井上佐智から、伊豆の別荘にて行われるプライベートなサロンコンサートへの招待状が届くのです。ふつう届かない（笑）。

で、そういう誘いを、一般家庭のタクミの一般的な母親がイヤがるんですよね。自分の体験から、身分の違う同級生の友達とは、人間関係を築いていけないから時間の無駄だと思ってるんです。ところがですね～、世界的バイオリニストの佐智からタクミんちに直電が来るんです。ふつう来ない（笑）。それで母親も説得されちゃって、めでたく行けることになった…のはなぜなのかってことですよ！！

まったく、ギイ（←タクミのボーイフレンド兼イケメン兼御曹司兼フランスのクォーター兼アメリカ育ちで、高校生ながらもう実家のビジネスを手伝っていて、夏休みには世界各国を飛び回っている）みたいなイケメンでおせっかいで情熱的なヤツが金とパワーを持ったまま恋に落ちた日にゃあ、腐男腐女の餌食になっても文句はいえないわけですよ。

ってなことでツッコミを入れつつも、音大出身であるというごとう先生の面目躍如。知らない音楽の知識がめちゃたくさん出てきて、調べながら読むの楽しかった～。

とくに「大橋ピアノ」のこと。創作かと思ったらあとがきに書いてあった、これほんとに日本に短いあいだ存在した、知る人ぞ知る幻のピアノブランドなんですね～。4000台くらいしか作られていないという。しかも浜松にあったという。しかもごとう家に、そのひとつがあったという！弾いてみたい！！浜松の博物館とかに置いてないかしら。調べてみようっと。