『渾名をくれ』

★今週はBLマンガ強化ウィークです。…いやそんなウィークはないですが、私がBLマンガを読み過ぎて読書記録が溜まりに溜まってるんで、３ヶ月に一度くらいの頻度で勝手にBLマンガを、ジャンルの偏りないように紹介し続けたく…気が向いたらお付き合いください…m(_ _)m★

新井煮干し子先生のBLマンガ。やっぱりこの先生すごい。いよいよ好きだ。

チョーイケメンの陽気なモデル・ジョゼと、チョー人気の陰気なイラストレーター・天羽。二人は同郷で、学生時代からの付き合いで、上京してからは同居生活をしている、でも恋人っていうわかりやすい関係でもないみたいで…。新井先生という方は、このひとことで言えない、ちょっとズレた関係のあわいを説明しすぎずに描くのが上手いのです。たとえば第一話、部屋と廊下を隔てる扉を挟んで、二人が別々のことをしているんだけど、これがこの二人の関係をじつに鮮やかに、言葉じゃない方法で表してます。こういう表現好きだな～！

そんで最後も説明しすぎない、わかりやすいハッピーエンディングじゃないところもよかった。あんなにかたくなに自分の部屋でしか絵を描かなかった天羽なのに、ラストではキャンバスがどうやらリビングに出されている。っていうことは…。

二回連続で読んだけど、はっきり言って、私もまだ最後のピースを見つけられた気がしない。『因果の魚』の時も思ったけど、新井先生の世界観って純文学的と思う。だからまた何度でも読み返すだろうという気がする。それってなんて幸せな体験だろう。新井先生ありがとう！