40年前のスペインで刊行された、あしたのための本シリーズ。

独裁者が独裁をしていくとどうなるのか、めっちゃわかりやすく解説する絵本、なんだけど、その独裁のやり方と独裁者のあり方が、びっくりするほどワンパターンで、もはや独裁者=没個性と言っても過言ではないのでは…。

でも、なんでそんなことに?

この絵本は、独裁者が独裁者になる前のことは一切描かない。独裁者って、どこからどうやって生まれるの…?

で、最後の佐藤卓己さんの解説が怖い。

「わたしたちは独裁をみずから、無意識のうちにもとめているのではないだろうか」「かれらの多くはふつうの市民としてすごした時代があり、かれらを独裁者におしあげたのはふつうの市民、つまりわたしたちなのである」。

独裁者とは、独りで何でも決める人のこと。私たちが、みんなで決めるのをめんどくさがったときに、その願いを叶えるように表れる…。心して生きねば。


●あしたのための本シリーズ(隠居の本棚より)


『社会格差はどこから?』


・『民主主義は誰のもの?