村田沙耶香さん作、米増由香さん絵の絵本。
主人公のぼくがクリスマスプレゼントにもらったくまのぬいぐるみ・ポーポが結婚する。それもおばあちゃんと。おばあちゃんだけでなく、おかあさんも、現代の常識と照らし合わせると、ちょっと外れている。でも、みんなそれが好きで、自然にそうしてる感じ。
で、ふつう類型的には、大人のほうが常識の枠内におさまっていて、自由に生きてる子どもに向かって「それはヘンよ」っていって邪魔してくるものじゃないですか。この絵本では、逆なんですよね。
で、得てして他人に向かってわざわざ「それはヘンだ」というときって、嫉妬や独占欲や、いろんな不純物のにおいを正義の仮面で隠しているものだけど、ぼくもしっかりそのパターン。ある意味、こどもがいちばん大人っぽい…。
けれどもそんな周りの意見など無視して、ぬいぐるみと結婚式をあげるおばあちゃん。ヘンだけど、ピシッと背中をまっすぐに立つおばあちゃんが美しく見えて、ぼくのなかで何かが変わる…。
あの村田紗耶香さんが絵本を書くとなったら、きっとふつうの物語にはしないだろうと思っていたが、やっぱり良かった〜!
●村田紗耶香さんの本
・『コンビニ人間』
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