江角マキコさん主演、是枝裕和監督の映画。原作が宮本輝さんの『幻の光』という、私が大好きな小説ということもあって、ずいぶん前に観たんだった。

これといって盛り上がるところもない、淡々とした静かな映画。

江角マキコ演じるゆみこは、なぜか立て続けに親しい人が自分の元から去ってゆき、帰らぬ人となる不幸に見舞われる。ゆみこに原因はないんだけど、どこかで自分を責め、そして運命が、次は誰を自分から奪ってゆくのか怯えているような陰のある演技が素晴らしすぎる!しかもこのときの江角マキコ、めっちゃ美しい!!能登半島の寒村で、きら星のように光り輝いてる。これが女優デビュー作なんて信じられん。

そんな江角マキコさん、数年前に何だったのかよくわからない事件をきっかけにあっさり引退してしまい、江角さん自身が今や幻の光に…。ショムニのイメージが強いけど、この映画を観るかぎり、ものすごく実力あって色んな役ができたはず。引退が悔やまれるなぁとつくづく思ったことでした。

●是枝裕和監督の映画(隠居と銀幕より)



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