豪華執筆人による、超私的平成論オムニバス。

ブレイディみかこさんのものが読みたくて、図書館に行ったら、借りられるもので一番新しいのがこれだったんですが、田房永子さんや栗原康さんもおもしろかった〜。

さて、肝心のブレイディさんであるが、この方は最高に文章うまいな〜。彼女が政治のことを書くと、スラスラ面白く読めちゃうのはなぜ?

ブレイディさんの平成論は、まあほとんど日本にいないのでよくわからないから「流行語」から読み解き始めつつ、久々に日本に帰ってきたときに感じたロスジェネという世代のことへ。

私もよく知らなかったが、この世代(1970〜1982年に生まれた約2000万人)はバブル崩壊後の就職氷河期で働く意欲はあるのに職がなく、さらに新卒しか認めない風潮のためにその後も正規雇用に恵まれず、他の世代と比べて年々年収が下がる傾向にあるのだという。

で、思ったんだけど、「本人たちの努力不足」で片付けられる、あの自己責任論。本来社会の問題なのに、個人の問題にすりかえるアレ。

コロナ禍で、きっと来年、進学や就職は大変になると思う。でもコロナ禍ほど、自己責任論で済ませられない事態もないだろう。そこで、これを機に、新卒じゃなくても採用するほうへ、社会全体が動かざるを得なくなるような気がする。

「令和遺産」が出版される頃、きっとコロナ禍は多くの人が書くだろう。でも、あとから振り返ったら悪いことばかりじゃないかもしれない。今はそう期待するしかできないけれど。

●ブレイディみかこさんの本


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