~青の男性~ | おはなしてーこのお話

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ふっと生まれたお話や感じたことを書いてます。

褐色の素肌に一枚のオレンジ色の布を
右肩からかけ、腰で縄で縛った男性が

神聖な場所で、胡坐をかきその両膝に両の手の平を乗せ
少し、頭を下げ
前にいる、白い袖の大きな衣をまとい
体をかがめ彼の近くまでより話す、その人の言葉を聞いている。

白い人は言う。
「あなたは、私たちを身近に感じ
 特別なものとするでもなく、高い者ともせず。
 必要以上に頭を下げるわけでもなく、
 かといって、私たちを信じていないわけでもない。
 それよりも、習慣のように祈りを捧げる者たちよりも
 私たちのことを自分の周りにいる人間たちを感じるように
 はっきりと感じているはずだ
 なのに、なぜ、最後の最後のところで私たちを信じない。
 
 何をするにも、特に大きな決断をし、成そうとすることほど
 最後の最後に自分の力で動かそうとする。
 どうして、そこで私たちを信じきれないのか・・・。」

男性は、身動きひとつせず、その言葉を聞いている。

彼の暮らす国では、宗教に携わる者が一番の位を持ち、知恵者とされ、
その国の人々はいろんなことをその人たちに教えをもらっていた。

彼は、その宗教に携わる人と同じくらいの知識を持っていた。
その知識を自分の日常で使っていたかった。
だから、宗教に携わる職につかなかった。

彼のその思いは、青く気高い誇りと勇気になっていた。

また、白い人は言う
「あなたの今のその姿が謙虚さなんだよ。」

その言葉を聞いた時、
自分が周りの人と一定の距離を置き、
頼りきれないことの意味を知った。