少女は、木の箱を見つけました。
その箱は、木が朽ちていて、
触るだけで壊れてしまうそうな箱です。
少女はその箱を開けるのを迷っています。
その箱を開ければ、箱は壊れてしまい
中に入っているものを元に戻すことが
できなくなると思っているからです。
少女はその箱の前でじっと箱を見つめていました。
そうし続けていたとき
「開けるか、開けないかはお前さん次第じゃよ」と
後ろからおばあさんの声がしました。
振り返ると見知らぬおばあさんが立っていました。
そして、おばあさんは
「この箱を見ていたら分かるじゃろ
今、お前さんがこの箱を開けなくても
いつかはこの箱は朽ちてなくなり
中に入っているものが表れる。
じゃから、今、開けるも開けないも
お前さん次第なんじゃよ」
そう言って、おばあさんの姿は見えなくなくなりました。
少女はその言葉を聞き、箱を前に迷いながら
その箱に手を伸ばしていました。