~ 木の箱 ~ | おはなしてーこのお話

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ふっと生まれたお話や感じたことを書いてます。

少女は、木の箱を見つけました。
その箱は、木が朽ちていて、

触るだけで壊れてしまうそうな箱です。

少女はその箱を開けるのを迷っています。
その箱を開ければ、箱は壊れてしまい
中に入っているものを元に戻すことが

できなくなると思っているからです。

少女はその箱の前でじっと箱を見つめていました。

そうし続けていたとき
「開けるか、開けないかはお前さん次第じゃよ」と
後ろからおばあさんの声がしました。

振り返ると見知らぬおばあさんが立っていました。
そして、おばあさんは
「この箱を見ていたら分かるじゃろ
 今、お前さんがこの箱を開けなくても
 いつかはこの箱は朽ちてなくなり
 中に入っているものが表れる。
 じゃから、今、開けるも開けないも
 お前さん次第なんじゃよ」
そう言って、おばあさんの姿は見えなくなくなりました。

少女はその言葉を聞き、箱を前に迷いながら
その箱に手を伸ばしていました。