とある遊園地に自分の素顔を忘れかけたピエロが居た。
ずっと長い間、ピエロやっていたから
化粧をした自分が本当の自分だと思ってしまっていた。
だから、遊園地に来る人たちを笑わせながら
「この人たちには、遊園地の外に大切な人たちが待っている場所がある。」
そんな想いが、彼の心を孤独にしていった。
本当の自分が化粧をした自分だと思い込むピエロ。
それが、彼を遊園地の外へ出られない理由だった。
自分のこの姿は、外の世界では異質なもの
外の世界にはピエロはいらないと思っていたから・・・
ある日、ピエロは素顔の自分がいることを思い出す。
化粧を取るだけで、それだけで、外に出られることを思い出す。
遊園地に来る人たちと同じなんだと思い出す。