真っ暗な夜、森の中を一頭の獅子が走る。
獅子が走ると草が揺れ、木の葉が揺れる。
眠っていた森の小動物たちが目を覚ます。
雲に隠れていた月が、その獅子の姿を照らす。
その姿は、黄金のたてがみを持つ獅子の姿だった。
そのたてがみのために、どこの群れにも属すことを許されず
いつも一人で行動をしていた。
今、そのたてがみを持つ意味を知る運命の場所へと進んでいる。
彼が、この森とその先に広がる荒野を治める者たちの
長となる運命の場所へと向かっている。
でも、彼はまだそれを知らない。