こんにちは、ハナリンです😊
本間先生のfacebookから転載します。
『ウイルスの変異とは』 変異株について①
現在、新しい本の執筆が終わり出版の最終段階に入っていますので、少しずつ情報発信を再開していきます。
今回の「変異株」シリーズについては新しい本でも解説しています。
新型コロナについて、デルタ株、イプシロン株・・・ミュー株など、次から次へと新しい株が見つかっているとのことです。
私の所にもデルタ株についての問い合わせをたくさんいただいています。
そこで、ウイルスの変異株、とくに現在流行中のデルタ株についてシリーズで説明していきます。
ウイルスの変異とは何かなど基本的なところから順を追って解説します。
ウイルスの変異とは、ウイルスの遺伝子(設計図)が変化することで、ウイルスの進化とも言えます。
一つのウイルス(例えばインフルエンザウイルス、ノロウイルスなど)の中で、もとのウイルスからほんのわずかでも変異してできた新しい遺伝子をもつウイルスを変異ウイルス株、略して変異株と言います。
ウイルスは、細胞を持たず、本体であるウイルス遺伝子をウイルスたんぱく質や脂質の膜(エンベロープ)でくるんだとても単純な構造をしています(図1)。
ウイルスには、遺伝子がDNAであるDNAウイルスとRNAであるRNAウイルスがありますが、新型コロナはRNAウイルスになります。
人の遺伝子(DNA)はほとんど変化しませんが、ウイルス遺伝子の変異はとても速く、特にRNAウイルスは変異するのが当たり前の日常的なことになります。
新型コロナウイルスはRNAウイルスですので、変異しやすいウイルスになります。しかし、RNAウイルスの中では変異が遅い方で、インフルエンザウイルスの10分の1以下と考えられています。
変異が速いウイルスの代表であるインフルエンザウイルスでは、1人の感染した人の体内で大量に増え、その人から出て来る時には、変異したウイルスになっていることもあります。新型コロナは、約15人への感染を経て1回変異する程度と考えられています。
まず、ウイルスが変異した場合の原則を解説しておきます。
原則① 変異してもウイルス自体の大まかな性質は変化しない
ここで言う性質とは、元のウイルス自体の性質ということです。
どんなに変異しても、例えばインフルエンザウイルスはインフルエンザウイルス(通常、強いかぜ症状を起こす)であり、ノロウイルスはノロウイルス(通常、下痢や嘔吐を起こす)であるということです。
新型コロナも、変異により突然、エボラウイルス(感染者の数人に1人が亡くなる)のように強い致死性を持ったり、麻疹のように(爆発的な)感染力を持つようになることはありません。
もちろん、後で述べるように、感染力が上がったり、症状や重症度、合併症を起こす頻度が変化するような違いは出てきます。
原則② 重篤な病気を起こすウイルスは変異すると徐々に性質がマイルドになる
ウイルスの致死率が高くなり、感染した人が次々と死んでしまうと、ウイルス自身も生きることができなくなり、ウイルスにとって都合が悪いからです。
ウイルスは、手の加わらない天然の状態であれば、通常自然の摂理に反するようなことはしません。
これにより、たいていは、変異して感染力が高くなると、病気の重症度は低くなることが多いことも理解しておきましょう。
軽症な症状を起こすウイルスでは、性質が穏やかになる事もあれば、激しくなることもありますが、大きくは変化しません。
次に、ウイルスが変異したらどうなるのか、つまり、変異した場合に何が問題になるのかについて説明します。
まずは、変異した場合に感染力が上がることが考えられます。
正確には、ウイルスが変異した場合、感染力が上がる事もあれば下がる事もあります。
しかし、感染力の高い株が、先にどんどん人に感染して広まっていきますので、感染力の低い株はその後は広まらず、感染力の高い株だけが残るのです。
流行の中で、少しでも感染力が高く、他人にうつりやすい変異株が出ると、その後は、他の株を押しのけて、この感染力の高い株だけがみられるようになります。
パンデミックを起こすような感染性の高いウイルスの流行では、どのウイルスにもこの傾向が見られます。
そして、感染力が高くなること以上の問題は、今までの自然感染やワクチンによる免疫(個人の免疫も社会全体の免疫も両方とも)の効果が低下することです。
免疫の効果が低下することにより、やはりその後の感染が拡大するのと、死亡を含めた重症化の割合が高くなることが問題になります。
この時、変異が大きければ、これまでの免疫は効かなくなりますが、通常は効果が低下しますが、まったく効かなくなることはありません。これらについては次回の記事にも詳しく解説します。
以下は、これまでの記事でも繰り返し書いていますが、今回の記事のまとめになります。
①ウイルスが変異していくのは当たり前
②ウイルスが変異してもウイルス自体の性質は大きくは変わらない
③重篤な感染症を起こすウイルスの場合、変異すると性格はマイルドになることが多い
④一般に、感染力が高くなると、重症度は低くなることが多い
⑤感染力が高い株が生まれると、その後に検出される株はその株の占める割合が急速に多くなる
次回は、変異株が生まれるメカニズムになります。
これまでに書いてきたコロナウイルス関連の記事は以下にまとめています。
https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2728645230793812

























