ゴシックの建築、3つ目に見たのはサン・ドニ大聖堂。
(2つ目: シャルトル大聖堂
3つとも、それぞれ異なる魅力がありました。
パリのノートルダム大聖堂は均整の取れた構成。
シャルトル大聖堂は饒舌なデザイン。
このサン・ドニ大聖堂は、光の美しさに圧倒されました。

⚫サン・ドニ大聖堂
1136~1144年
行き方:パリ中心部から地下鉄13号線(St Denis Universite行き)で20分くらい、Basilique de Saint-Denis駅下車徒歩5分 
開館時間: 公式サイトに情報有り。2018年8月時点では薔薇窓の1つが改修中でした。内陣のみ有料(9€)。


建設年はパリ・ノートルダム大聖堂より古いですが、その後改修を重ねて現在の姿になっています。
代々のフランス国王がこの聖堂の地下に埋葬されています。
聖堂の名前(聖ドニ)がそのまま地名になっています。


サン・ドニは移民の労働者が多い町で、ちょっとスラムのような雰囲気があります。
ただ、人々はそこで普通に生活しているので、気を付けてさえいれば怖い場所ではありません。大聖堂周辺は商店も多く賑わっています。
人気のなくなる夜には行かない方がいいかも。どのみち大聖堂は夕方に閉まりますが。


正面のファサード。工事が途中で止まったため鐘楼が片方しかありません。


外部では特に側面のファサードが綺麗です。
交叉廊の側面にもフライングバットレスがあるんですね。
スケッチしてると公園でたむろしているおじさんが覗き込んできました。


この大聖堂はとにかく内部が圧巻。光の量に圧倒されます。入った瞬間動けなくなりました。

他の聖堂に比べて身廊の幅が広いです。(王様の葬式に収容人数が必要だったからかもしれません。)
垂直性だけでなくボリュームも感じられます。


夕方に訪れたこともあり、ステンドグラスを透過して色の付いた光が反対側の面に踊っていました。


柱はかなり細いですが、それをさらに幾つにも分割し、視覚的にもっと細く見せています。


とにかく窓が大きい。アルミサッシ並みの開口率です。こんなの石で作れるなんて。


それにしてもゴシック良いですね。大好きになりました。退職して時間ができたらゴシック巡りの旅するわ。

ところで、ゴシックの大聖堂ってヨーロッパ北部に集中しています。(ミラノとかは例外ですが)
今回のフランス旅行で北部のパリと南部の地中海側を経験してみて、その理由が何となく分かった気がします。

太陽の光が全然違うんですね。

北部は透明で優しい光です。
だから、薄い壁に大きな窓を開けて光を入れ、繊細な造形を浮かび上がらせるゴシックのスタイルが合うんでしょう。

対して南部は力強い光で、物の色が鮮やかに見えます。こちらは分厚い壁で光を受け止めるような建築の方が明らかに合っていました。


(アルル・サントロフィーム聖堂)

風土の違い、ですね。

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サン・ドニ大聖堂を描く。