⚫ノートルダム大聖堂
1163~1250年
行き方: RER-B線またはC線、地下鉄4号線 サン・ミッシェル・ノートルダム(Saint-Michael-Notre-Dame)駅下車すぐ
開館時間: 公式サイトのopening hoursのところに情報あり。2018年8月時点で大きな改修工事はされていませんでした。


初期ゴシックの代表作。西側のファサードは丹下健三の東京都庁舎(現役の方)のモデルにもなりました。


西面のファサード。
強い造形と装飾の量に圧倒されます。でも威圧感みたいなものは無く、親しみやすさを感じられました。

とにかく丁寧に丁寧にデザインされているからでしょう。
ところどころ、細かな調整が多くされているのが分かります。


2本の鐘楼。一見それぞれが左右対称形に見えますが、いちばん上、ファサードの両脇になる角のところだけがほんの少しだけ出っ張っていて、ファサード全体を引き締める効果を生んでいます。日本建築の「反り」と同じですね。


鐘楼を見上げたところ。
四隅の部分の装飾は最上部まで達せずに途中で止め、その上に軒のライン、さらに上に手摺のラインと、幾重にも重なって見えるようになっています。


あとは、鐘楼のすぐ下、薔薇窓の上の繊細な列柱の部分も良い効果を出しています。
構造的な柱の部分にも、ダミーのアーチが浮き彫りされています。大きな柱を華奢なアーチでカモフラージュしているかのよう。



入口のアーチの上の彫刻は、中央に9体、両側に7体。中央のスパンが少し広くなっています。


聖堂の中。深い陰影が感じられ、凄い迫力です。


空間自体の巨大さだけでなく、石という素材の力によるところも大きいと思います。


アーチが3段重ねになった構成ですが、それぞれ意匠を変えています。
ひたすら上を目指して作られたゴシック建築。でもそこには人間味を感じられました。


あれ?これ絶対にずれてるよね?
柱の位置出しを間違えてしまったか、または何らかの理由で図面通りに柱が立てられなかったのか。


鐘楼を支える柱は特に巨大。でも意匠的には細かく細かく分割し、繊細さを出そうという意図が感じられます。


空間のダイナミックさを最も感じられるのが、ヴォールトのの交叉部分。


薔薇窓の何と美しいこと。


川の反対側から。
踏ん張っている構造を内部に現さず、すべて外に出すのがゴシック建築。
どこか動物のような愛嬌のある姿です。