皆さん、こんにちは。自民党衆議院東京都第23選挙区(町田市、多摩市)支部長の小倉まさのぶです。


8月10日に消費税増税法案が参院を通過いたしましたが、肝心の使い道、社会保障制度の改革については、社会保障制度国民会議を立ち上げて、今後議論することになっています。景気対策と合わせて将来の日本の浮沈を決定付ける政策はこれから決まっていくわけです。総選挙でそれぞれが政策を掲げて、最終的に国民から信任を得た政党でなければ、やり遂げられないほど重要な問題だと思います。

 

そうした中、自民党内では小泉進次郎青年局長の掛け声のもと、「社会保障制度の枠組みを決めるにあたり、われわれ青年世代の声を反映させよう」と有志勉強会を3回開きました。青年世代(50歳以下)の国会議員、地方議員、衆院候補予定者、学生等が参加しました。そして8月22日「社会保障制度に関する青年局提言」を谷垣総裁に提出しました。

 

同提言には、上記国民会議に社会保障の担い手の中心となる世代を委員として任命すること、その数や選考にも若者の声を反映させること、また、年金・医療・子育てだけでなく青年世代にとって喫緊の課題である若年者雇用や就労支援によるセーフティーネットの構築も上記国民会議で議論すること、などが盛り込まれました。


中でも特に意味があると思うのは、シミュレーション等の公表により「負担と給付の見える化」を図るべきという主張です。今の年金制度の一番の問題は、将来的にどれくらいの年金が支給されるのか、またどれくらいの負担をしなければならないのか、誰も正確には把握できないことです。2004年の自公政権のときに「100年安心プラン」の名のもとで年金のシミュレーション結果が公表されました。そこで、少なくとも100年間は、保険料負担の上限を18.3%に固定しても、年金の所得代替率を50%に維持できることを示したわけですが、その後も年金制度に対する不信感は絶えません。

 

その理由のひとつとして、シミュレーション自体が甘い前提のもとで行われていることが挙げられます。少子高齢化が進む中で、賦課方式のもとで保険料率を固定したまま年金水準を維持できるのは、積立金を運用して原資を増やせる、物価・賃金が上昇する中で保険料が増えるというカラクリがあるからです。しかし、現実の年金運用利回りは+1.57%(平成13~22年度)、物価上昇率に至っては▲1.79%(02~11年)と、04年のシミュレーション時の前提(それぞれ+4.1%、+1.0%)を大きく下回っています。厚生労働省の役人が用意した現実離れしたシミュレーションではなく、日本社会・経済を取り巻く厳しい環境を直視した厳しいシナリオのもとで、政府が責任をもって保証できる最低限の範囲を示すとともに、世代内・世代間の公平・公正な負担の仕方を議論する。これが年金改革の重要な一歩だと思います。


今回の青年局提言は三党合意に的を絞ったものです。年金制度の抜本改革のために賦課方式が良いのか積立方式に移行したほうが良いのか、また生活保護制度とその他のセーフティーネットとのバランスなど、社会保障制度の中身についての具体的議論は、これから青年局で継続して行うことになっています。

 

現職の国会議員の年齢をみると、世代ごとに大きな偏りがあります(下表参照)。一般企業でいえば、管理職が社員の9割以上を占めるようなものです。これからの社会保障や日本経済を支えなければならない世代が一致協力して主張をしていく。小泉進次郎局長が始めた自民党青年局による今回の取り組みは、非常に意味のあるものと思います。

 



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