目の前にお刺身と唐揚げ。挽き肉が詰まったピーマンとパリパリのきゅうりのスティック。その横にキンキンに冷えた生ビールが置かれている。
『かんぱーい!』
久しぶりに飲み屋さんでお酒を飲んだ。自分の最寄り駅に来てもらって飲んだのだが、ずっとお酒を飲んでいないものだから、もちろん気の利いた店も知らないし、お店の閉店時間も知らなければ、二件目も探せなかった。
歳のせいなのかな。物事を意識をしないと余計な情報は目や頭には入っては来ないし入ってきても定着はしない。
何年か前の事だが、歯が痛くなるまで歯医者さんの場所を知らなかった。痛くなって実際に通うようになると他の歯医者さんの場所さえも気にするようになった『あぁ、こんな所にも歯医者さんがあったんだ』という具合に。
パソコンも興味がある事は調べる。CGソフトの使い方やビデオ編集のやり方。まぁ、飽きっぽいので興味を失うと、すぐに忘れてしまうのだが。
好きな人ができるとデートスポットを調べたり、美味しい食べ物やさんを調べたりもする。
……うん?
それは美味しい食べ物やデートスポットに興味が湧いた訳ではなく、その相手に興味があって、その相手と楽しい時間を共有する手段として、その場所に出掛けたいから興味が湧いた。が正しいのかな。
そもそも好きな相手が居たら、その方の考え方や性格を知りたくなる。その方自体に興味がたくさん湧くからだ。それどころか逆に自分に興味を持って欲しくもなる。
そう考えると好きな人が側に居るということは凄い力にもなるし、とても素敵な事なのだろうと思う。
もちろん好きな人、大切な人が異性の恋い焦がれる方ではなくて、同じように大切な家族や友人でも一緒だと思う。
久しぶりに飲んだ生ビールは、とても美味しかった。
『また飲みたい』とさえ思ってしまった。
再びお酒にも興味が湧いたのだろうか?
いや、ご一緒して下さった方に興味が湧いたからなのだろう。