糸刃と小刃の定義を考える(天然砥石の使いかたと刃先に付いて) | ogricat-creationのブログ

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趣味の写真と、包丁を研ぐことなどを書いていこうと思います。
カメラはソニーのα7Ⅲを使用しています。

この度の地震で被害を受けられた方には心よりお見舞い申し上げます。
私の知人も被害を受けました。場所によっては東日本大震災の時より揺れがひどかったそうです。(宮城県と福島県の県境当たりです)
 
近所に車で八百屋さんが来ます。良く利用するのですが、先日
八百屋さん「青いバナナはサービスだからタダで良いよ」
私「じゃ、せっかくだから頂きます」
食べ方など調べました。ビックリしたのはバナナは青い時の方が栄養価が高いとの話です。美味しいでは黄色く熟した方が美味しいとは思いますが栄養価としては青い時の方が高いと聞くからビックリです。
日本ではバナナはデザートの感覚です。(フルーツ)お国が違えば食材や主食と成りますので感覚が変わるのだと思います。

豚肉を巻いて焼き上げました。とても美味しいと思います。これはこれで有りだと思います。

さて、今日の本題と成ります。下の石を刃物屋さんに持っていきました。実際には鰹節削り器の刃がボロボロに成りました。裏切れが理由と思い出かけました。

経緯
1.刃を研ぎ一度仕上げる
2.鰹節を削る
3.刃を見るとボロボロだった
推測
恐らく、糸裏が薄すぎたためかと考える。
入店
私「鰹節の刃がボロボロに成ったのですが、恐らく裏が薄すぎると思うのですが」
店主「みせて。関係無いよ、これくらいで十分だよ」
店主の自家用かつお節削り器を持ってきてくれました。
店主「ね、同じくらいでしょ」
私「ではどうしてボロボロに成ったのでしょうか」
店主「刃を出し過ぎか何かだと思うよ」
この後研ぎ直しの指南を受けました。
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二つ目のお題です。
私「この石を見て貰えないですか」
店主「大平かなぁ」
私「恐らくそのはずです」
カンナを当てると瞬く間に黒いトクソがでます。同じ石で私が研いだ際より反応良いように感じます。技術の差が有るのだと思います。
店主「硬くていい石だよ」
私「包丁用に随分前に買いました」
店主「包丁には勿体ないよ」
私「そうなんですか」
店主「良い石は、中山、新田、大平、菖蒲、、、、」山の名前をお聞きしました。
私「ハッカはどうですか」
店主「ドロだよ。柔らかいだろう」
私「確かに軟らかめです。包丁には使い易いですよ。良い刃が付きます」
などの会話を楽しみました。
 
持参したカンナ身を店主の前で刃先を研ぎました。研いだ刃を見て貰うと、
店主「当たってないよ」
私「これでですか」
店主「ちゃんと刃返りを出して」
*ダイヤモンド砥石で刃先の欠けを取っていました
*私からすると綺麗に当たっているように感じます
私「これくらいでどうですか」
店主「当たっていないよ」
ここで初めて気が付きました。基本的に刃先まで研ぐを理解していない様です。(カンナの研ぎです)
 
色々と考え翌日に鉋の研ぎ方に付いて改めて再確認をしました。詳細は省きますが以外にも以前書いた研ぎ方が正解だったかもしれません。
*宜しければ過去の記事を参考にしてください。
 
前振りが長く成りましたが本題は刃先と成ります。
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1.砥石の硬さについて考えてみましょう。
硬い石と軟らかい石では何方が良いのでしょうか。(天然砥石が対象です)結論から言うと硬い石の方が良い刃が付くと言えるとは思います。しかし、その良い刃が問題です。今まで究極の刃が有ると考えていましたが刃の形状には複数のパターンが有ると考えてみましょう。
下の図を見てください。
①硬い石で研ぐと直刃(平らな刃)が付きます。この刃は抵抗が少ない一方で欠けのリスクは大と言えます。
今まで、包丁では小刃を付けるものだと考えていました。しかし今回、カンナを研ぎ店主の刃先の研ぎ方を見て気が付いた事があります。裏と表が本当に合った刃先とはとても切れる事を再確認しました。
*小刃を付ける前の段階です
②では軟らかい石で研ぐとどうなるかを問うてます。石が凹む訳ですので刃もハマグリ刃に成りそうです。この場合、抵抗は増えますが欠けのリスクは減少します。(つまりは長切れします)
以前、森平の小黒さんとの会話を紹介したことが有ります。
私「ハマグリ刃って聞くのですが」
小黒さん「大丈夫、勝手に成るから」
研ぎを始めたばかりの頃です。今では手先を使いハマグリ刃にする事も出来る様に成りました。しかし小黒さんが言う「ハマグリ刃」と私の考えていたハマグリ刃は違うのかもしれません。
*小黒さんのハマグリ刃は糸刃の意味。私のは、小刃のイメージです。
2.二つの刃先に付いて(糸刃と小刃)
剃刀を調べていて刃先を考える機会が出来ました。
第一の刃先は約100μ(0.1ミリメートル)以内と仮定しました。
第二の刃先は300μ程度と仮定しました。
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詳しく見ていきましょう。(あくまでも仮定です
下の図ですが100μを糸刃としました。この部分は切れ味、切れ方を支配します。物を切る場合に以前紹介した通りクラックを入れる事で応力集中を起こします。次の段階では角度通りの刃先が押し込みます。この時の抵抗は鋭角の方が当然に少ないと言えます。つまりは真っすぐな刃の方が抵抗は少なく、鈍角やハマグリ刃より有利です。
次の段階(第二の刃、小刃)は抵抗を支配します。糸刃と同じ事ですが大きく違うのは切り込みとは無関係です。あくまでも抵抗と強い刃とのバランスの為に有ります。つまりは鈍角な刃にしたり、ハマグリ刃にする事で抵抗は増えますが長切れには有効と成ります。
ここで小刃を考えたいと思います。小刃を付ける理由としては複数あると考えます。洋包丁や家庭用の包丁等で切り抜きした素材を包丁にする場合は小刃を付ける事で包丁が出来上がります。和包丁などの場合は本来は糸刃(小刃止め)を付けて長切れの役割を成すとも言えます。また、研ぎの初心者などは簡単な刃の付け方としては刃先を立てて研ぐ事で切れるを出せます。この小刃ですが、定義が有るかと言えば個人的には知りません。
*どこから小刃でどこから大刃なのかです。
 
 
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次に天然砥石の使いかたを考えましょう。
前提としては、天然砥石はトクソで研ぎます。研磨力は人造砥石と比べれると弱いと言えます。
1.合わせ刃物(カスミ包丁)
地金と鋼が混在する刃物です。単純に硬い素材と硬くない素材で出来ています。地金が硬く有りませんので同じ様に研磨すると地金がより多く削れます。①では仮に硬い石を使用した場合、地金が軟らかい場合は反応をしてトクソが出ると説明しています。そのトクソに寄り刃が付きます。②では軟らかい石と軟らかい地金だとお互いが反応してトクソが出すぎるのでは無いかと言っています。
*仮に地金が硬めの場合は良い塩梅でトクソが出るかもと考えています。
*難しいのは、和包丁の形(流線形)の場合は硬すぎると研ぎ辛いと言えそうです。軟らかい石の方が相性としては良さそう。この先は色々と研究の必要が有ると思います。
2.本焼き包丁では
刃の全体が同一の素材です。硬さに違いが少ないと言えます。この場合は地金が有りませんのでハガネを研ぐとも言えます。良い刃を付けるには硬めの石でゆっくりと研ぎあげる事が有効では無いかと説明しています。仮に軟らかい石でトクソを出して研いでも良いとは思います。しかし、硬いハガネを研ぎあげるには時間を掛けて研ぐ事が必要だと現在は考えています。
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本日のまとめ
刃物屋さんのショーケースに天草砥を見つけました。
私「もしかしたら天草砥ですか」
店主「そうだよ、こっちは備水砥」
私「私も持っています。刃が欠けて天草や備水で直す事が有るのですが中々うまくいきません」
店主「人造砥石、ダイヤモンド砥石でやればいいんだよ」
私「でも、昔はみんな天然砥石で直したんですよね」
店主「だから時間が掛かかるでしょう。道具を人に貸すことをとても嫌がったもんだよ。刃が欠けると数時間潰れるからね」

東京では昔は「沼田砥石」を使っていたそうです。
店主「キング砥石が出て変わったよ。沼田砥石を使う人がどんどん減ったもんだよ」
 
公園ではミモザの花が咲いていました。東京にもいつ地震が来てもおかしくは無い事も事実です。お互いに準備をしておきたいものですね。
 
刃先に付いての今回の記事ですが、まだまだ纏まりが有りません。本当は限定記事(信憑性に欠ける為)と考えました。しかし少数では有りますが読んで頂いている方がいらっしゃいますのでオープンとさせて頂きます。何時もの様にこのブログは娯楽目的です。
*内容ですが、答えは先にさせて頂ければ幸いと存じます。
 

今回は「中らずと雖も遠からずの前段階です」と成ります。