黒いペンタックスSPとの休日 | □■□■ おぎさく スタッフブログ ■□■□

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黒い、黒い、クラシックカメラ。

今日は一日、ペンタキシアン!

 

ペンタックスSPのブラックペイントのご紹介。

 

古き良き時代の、上質な厚みのあるペイント。

肌寒い季節には、このペイントが金属ボディの冷たさを和らげる。ような気がする。。。

クラシックカメラの世界では、こうした「ような気がする」といった抽象的なフィーリングが大切だったりします。

単にカタログスペックだけでは比較できない趣の深い世界です。

実際このSPは「絞り込み測光」という、今となっては面倒な測光をしなくてはなりません。

当時としては小型ボディにTTL露出計を搭載し、一眼レフとしてはお求めやすい値段だったため人気だったようです。

その証拠に現代でも中古市場ではペンタックスSPの出物は多いです。

しかし、完動品をその中から探すのは年々困難となってきています。

それもそのはず、ペンタックスSPの発売は1964年。

今から56年も前のこと。(東京オリンピックが開催された年です)

さすがに状態の良い個体が減少しているのも仕方ないですことです。

今回は状態が比較的良好なボディが入荷したので、クラシックカメラ修理専門店にてオーバーホールしてもらいました。

調子よく動作してます!

フルメカニカルならではの巻き上げ音やシャッター音が心地いい。

是非とも実際に撮ってみたい。

「テスト撮影」を名目に、ふらっと撮影に出かけました。

 

レンズはオールドレンズとして知名度の高いスーパータクマー55mmF1.8

 

開放でのホワホワとした描写ばかり取り上げられますが、絞った時のポテンシャルはなかなかのもの。

 

シャープで芯のある描写の中にも、どこか柔らかなコクが残っている!ような気がします。

(写真はF5.6~F8まで絞っています)

 

ちなみにブログトップに掲載のこちらは↑[絞り開放&逆光]

レンズに対してかなりの理不尽な条件。

一本のレンズでここまで極端な差があると、その幅の中で色々試せて楽しいです。

 

 

古いカメラで古いものを撮る。

古いもの同士が共鳴する。ような気がします。

 

 

 

使用フィルム

【イルフォード XP-2 400】

カラー現像処理専用のモノクロフィルムなのでお店現像が可能です。

 

 

カラーネガのように広いラチチュードが特徴。

表情豊かなグレートーンが楽しめます。

 

 

 

 

このレンズとの相性もよく、柔らかでクラシカルな描写を楽しめました。

 

 

西荻窪から吉祥寺まで、少し遠回りに散歩。

 

 

水辺では[オールドレンズ+モノクロフィルム]だとウェットな雰囲気が出やすい。ような気がします。

 

 

 

そういえばこのペンタックスSP、ビートルズのメンバーが来日の際に買い求めたそうです。

その当時の時代背景や文化に思いはせるのもクラシックカメラの楽しみのひとつです。

 

日が短くなりました。

最新のデジカメと違い、感度の変更が不可能なフィルムカメラでは、暗くなったら撮影が厳しくなります。

暗くなったら家に帰る。健康的な撮影です。

 

 

そういえば釣りの世界では釣りを終えることを「納竿」といいます。

カメラの場合「納カメ」でしょうか。うーん、語呂が悪いですね。

 

翌日、残ったフィルムを荻窪にて撮り終えました。

いつもと違うカメラとフィルムだと、見慣れた街も違って見える。ような気がします。

 

ペンタックス SP ブラック

スーパータクマー 55mmF1.8 セット

 【中古】 39,800円

修理業者にてオーバーホール済。
外観スレ有。付属品無。

程度:AB-

ご注文はコチラ

 

以上、ペンタックスSPのご紹介でした。

絞り込み測光に多少慣れが必要ですが、

機構がシンプルなので初めてのフィルムカメラにもおすすめです。