「御銀の1番のオススメってなんですか?」
外国産の肉を使うか、一頭買いしてなんとか売りさばくかです。
大手チェーンが国産牛を使えるのは後者の選択。
外国産が悪いわけじゃなく、その店の処理が悪いだけなんですが…
こう言われた時、かなり悩みます。
どれも自信あるし、「低温調理を用いたやきとり」は現時点では間違いなく日本唯一だからです。
しかし敢えて挙げるなら「鳥取県産牛サガリ串」ですかね。
サガリとは横隔膜の事です。
焼肉屋の「ハラミ」とか「オーカク」です。
噛み応えと柔らかさが特徴です。
博多やきとりではポピュラーな牛串で、「やきとり」とゆうジャンルではお値段もけっこうします。
まさに「贅沢な串」です。
実は私、ほんの3カ月ですが、焼肉屋でも働いておりました。
もちろん肉などはほとんど触れませんでしたが、少し内情を知ってましてね…
今や焼肉屋で国産はほとんど高くて使えないんですよ。
入手ルートが少なく、人気部位は数量に限りがあり、オマケに高い!
国産牛使用で、利益を出そうと思えば余裕で一人前1000円以上になります。
ちなみに焼肉屋において一人前とは70グラム〜多いところでも100グラム。
80グラム設定が多いようです。
一人前を1000円以下に抑えるにはどうするか?
答えは簡単。
外国産の肉を使うか、一頭買いしてなんとか売りさばくかです。
大手チェーンが国産牛を使えるのは後者の選択。
資本と販売量の桁が違うからなんですね。
もちろん、利益度外視で低価格に抑えて頑張っている個人店さんもたくさんあります!
そしてもう一つ。
外国産の牛を使う。
国産牛と混ぜてね。
コレはかなり悪質なケースですが、意外と多いらしいです。
「アレ?なんでここ安いの?」と思ったお店で、少しでも臭みを感じたら…
混ざってますね!
外国産が悪いわけじゃなく、その店の処理が悪いだけなんですが…
さて、前者の外国産牛。
今は赤身肉ブーム、熟成肉ブームですね!
ざっくり説明だと、もともと赤身の硬い肉を熟成によって柔らかく、そして旨味を凝縮させるってわけです。
肉文化の伝統の知識と技術を日本が今更やってるわけです。
閑話休題。
御銀の下り串は鳥取県産のみ使用。
送料などが乗り、現状高くて県産牛しか使えないってのが本音ですが…
コレをただ刺して焼いても普通。
そこで修行先のお店ではマリネしていました。
私も例に漏れず最初はただマリネしてたんです。
しかし色が悪い。
そして3日も経つと、「臭く」なるんです。
修行先は超繁盛店だったので余裕で回転していたのですが、田舎の、ましてやオープンしたての御銀ではそうはいかない。
「ウチの1番自慢の串です!」とオススメしても「そんな高い串いらないよ。」と食べもせず断られるのです。
一時期はマリネ自体辞めたのですが、それだと旨味が足りない。
それどころかロスにしてバイトのまかない行き…
1番食べて欲しい串が1番食べてくれない串になったのです…
久々に続く^^;