冬・・・





それは、突然鼻血の患者さんが増える季節です













その原因は諸説ありますが(知らないけど)






主な原因は、空気の乾燥じゃないかと思ってます






湿度が30%台とか、もっと低くなると






人間の粘膜も乾燥してきます






喉もイガイガしがち






鼻の中をのぞくと、鼻の入口入ってすぐの粘膜がカサついていたり、ひび割れそうになっていたり、うっすらカサブタが張ってたり





ということもよくある






本当に、乾燥だけが原因なのか?






それは知りません






しかし、冬場に鼻血の患者さんが激増するのはまちがいない





ほとんどの場合、鼻の中の「鼻中隔」という真ん中の壁の、入口から2~3センチ以内くらいの場所(キーゼルバッハ部位)から血が出てる






ここは、血管が多いんだっけ?血が出やすいところとして有名です





耳鼻科ならずとも、医師ならけっこう知ってる






ここから出てる血は、比較的簡単に止血できます






ガーゼなどを詰めて圧迫してもよし、電気メスとかレーザーとかそんな感じの飛び道具(実際には外来だと、バイポーラというピンセット式の電気焼灼器具を使うことが多い)で焼くのもよし





あっさり血が止まります






こうやって、ティッシュかなんか詰めてから自分で鼻をつまんで押さえておけば止まるようなやつね 

これだったら大丈夫






問題は、奥の方






ってゆーか、どこから出てるかわからない場合ですよ




鼻の中も、入口はそんなに複雑な構造ではないが、奥に入るとヒダや穴(副鼻腔につながる)があって、内視鏡入れてもよくわからないことがあります





おそらくこの辺だろーと思ってガーゼを詰めてみて、よし!止まった!って思って30分くらいしたら、またプギャーって血が出てくることがあり





絶望しかない






そういう人は、血圧が高かったりして、相乗効果でいつまでも止まりゃーしない






しかも、何回もガーゼ詰めたり抜いたりしてると患者さんも痛みや恐怖で我慢できなくなってきます(もちろん、局所麻酔は可能な限り使いますけど)






そして・・・卒倒する・・・






ということも、よくあります






あまりにも血が止まらない場合の奥の手もいろいろありますが、けっこうえげつないので割愛します






手術することもあります






幸い、私の耳鼻科医人生で、鼻血が止まらず手術室に駆け込んだことはなかった気がする





他のドクターの患者さんの手術を手伝ったことはありますよ






私が止血が上手いというわけではなく、むしろ悪運が強いというのか、そういう超ド級の鼻血さんに巡り合わなかったというか・・・






患者さんもとっても大変だし、こっちもとっても大変です





たかが鼻血と思われがちですが、入院する人もけっこういます





鼻血を甘く見るべからず






冬はそんな季節です