余り覚えてはいないのだが、当時そんなに楽器を買おうという感じにはなっていなかったのが、会社で出会ったギター弾きの人と話す内に何となく楽器を買う事になってしまった。
元々、興味があったのだから、何かのきっかけでこういう事になるのは今振り返れば必然だったと言えるのかもしれない。
ワクワクギンギンしながら楽器が届くのを待ち、憧れ?のバイオリンベースの入った箱を宅配業者から受け取ると、考えていたよりも大きい事に戸惑った。
エピフォンの廉価版のバイオリンベースは、勿論ポールマッカートニーの使っているホフナーの物とは全く違っていたが、そんな事は注文した時点で全て分かりきっていた事なので気にもしなかった。
が、それよりも、ベースという楽器を初めて見た僕にとっては、キラキラしたラウンドワウンドのe弦の太さがひどく印象的で、楽器全体の雰囲気の良さと相まって、その実在感に、湧き上がる喜びのようなものと、ついに買ってしまったという思いと、これを予定していた場所に格納できるかという不安のようなものが一緒になって、妙に周りを気にしたりして、落ち着かなかったのを覚えている。