(7)飲むために走る
6時間走の順位の決め方は、6時間以内にどれだけの周回を重ねたかによってつけられます。同一周回の場合は、最後の周回を終えたタイム順で決められます。
すでに5時間52分を過ぎ、6時間以内に次の周回を終えるのは、私の走力では100%不可能です。ですからこの周回はダウンジョグとして流して走っても、記録的には影響ありません。
と言いたいところですが、タイムの計測地点は私たちのリレーゾーンよりも200メートルほど先にあるゲートのところです。つまり私がそのラインを通過して初めて34周目の記録が計測されます。
ということは、もしも私のすぐ前に同一周回のランナーがいれば、抜いてそのラインを越えることができれば順位をあげることができます。逆に最初からダウンジョグをして同一周回のチームに抜かれてしまうと、順位を落としてしまうことになります。
そんなわけで、200メートルだけ全力疾走をすることにしました。
これが最後ですから文字通り全力で走ります。何人かのランナーを抜きましたが、その中に同一周回のランナーがいたかどうかわかりません。そしてフィニッシュラインを越えたところで減速します。
あとはゆっくりゆっくり走りました。もう5周でおなか一杯です(笑)。
それでも上りのトンネルは歩きませんでした。歩いているスピードと変わらないくらいでしたが、ゆっくりと最後まで走りました。
そのまま何人ものランナーに抜かれながら、最後の1周を走り終えました。フィニッシュラインを越えてたすきを返し、仲間の元に戻ります。
最終結果は34周で、タイムは5時間52分56秒でした。順位は129位で、130位のチームとはわずか5秒差です。最後の全力疾走をしなければ、順位が入れ替わっていたかもしれません。もっとも、129位と130位でどれだけ違うかというと、何も違わないんですけどね。
私達は着替えを済ませて、このあと帰途につくさちこさんを除いて打ち上げに向かいました。飲むために走る!飲むことを楽しみに頑張ったと言っても過言ではありません。
私は20時の特急で帰らなければならないということもあり、札幌駅の近くの店での打ち上げです。
ビールを飲んで、
まるごと1個のレモンが入っているというレモンサワーを飲んで、
皆さんの健闘を称えあいました。
そしてここで出た結論は、「来年もエントリーする」ということです。年々6時間を走り続けることは厳しくなってきていますが、どこまで続くかやってみたいと思います。
だけど、参加種目を6時間にするか42.195kmにするかは、また皆さんと相談したいと思います。(おわり)
(1)今年も6時間
(2)練習不足を実感する
(3)カメランからビーランへ
(4)アクシデント
(5)苦しむ終盤
(6)大詰めへ
『うつ病ランナー サロマを走る』 絶賛発売中です。
うつ病ランナー サロマを走る【電子書籍】[ 小笠原 章仁 ]
¥486
楽天