今年の利尻は素晴らしい天気で迎えてくれました。
昨年は低い気温と冷たい雨でやる気をすっかり削がれ、一昨年は強風に翻弄され、とにかく寒いというイメージが強く、長袖が必須のレースでした。
ところが今年は3日間を通じて素晴らしい天気でした。おかげで素晴らしい利尻の景色を堪能しました。
それでもレース中は沓形から鬼脇までは曇っていて、利尻富士も雲に隠れてしまいました。利尻富士をすべての角度から眺めるのは難しいですね。私が初出場した2006年は最初から最後まで利尻富士を見ることができましたので、本当に運がよかったと思います。
さて、詳細な完走記はこれから書きますが、今日はざっとレースを振り返ってみようと思います。
エントリーした時点では、今年こそ6時間切りを果たそうと思っていたのですが、右膝と左腰の痛みのため走り込みが十分にできず、目標を変更しました。結果的にはサロマの前の長距離練習を1本もできなかったため、この利尻をサロマに向けたトレーニングと位置づけました。
目標は、
●巡航速度をキロ6分30秒程度として、エイドやトイレのロスなどを含めてキロ7分平均で、最後までイーブンペースで走ること。
●ゴールした時点で、あと15kmを走れると思えるくらいの余力を残すこと。
この2点でした。
スタート後、ちょっと遅すぎじゃないかと思えるくらい楽なペースで走ります。ところが最初の5kmのラップは30分を切ってしまいました。明らかなオーバーペースです。
でも、自分が最も楽に感じるペースで走ってこれくらいですから、このペースで落ち着いてしまったからには、抑えるのはかえってリズムを崩すと判断して、そのままのペースでいくことにしました。
15キロ地点のトイレには毎回寄っています。今回も当然のように寄りました。そしてブログをアップして、エイドで腹ごしらえもします。速すぎたペースを戻そうという意識もあったため、ここでの滞在時間は8分に及びました。反省点として、まだ元気なこの時点で8分も滞在するのは意味がありませんでした。
その後もキロ6分前後のペースで走り、これまた毎回立ち寄る24km付近の公衆トイレに立ち寄りました。このとき、ナンバーカードを引っかけてランナップが飛んでしまうというアクシデントがあり、飛んだランナップを探したり、この後は引っかけないような対策を施したりして、ここの滞在時間も3分に及びました。でもその後も、キロ6分前後のペースで35kmまで行きました。
35kmの通過タイムは3時間43分31秒。残り20km。これなら6時間を切れると確信しました。
ところが35kmを過ぎてから、腰痛が激しくなります。それとともにペースも落ち始めました。右膝痛はだましだまし走りましたが、腰がズキズキ痛むとともに、鈍い痛みが左足全体に広がっていく感覚は気力を喪失させました。それでも気持ちだけは切れないようにと頑張りましたが、ペースは極端に落ち始めました。
42kmを過ぎてから腰の激痛は治まりましたが、そこでペースを戻そうにも、すでに足は動かなくなっています。いったん気持ちが切れかかったせいか、前半のオーバーペースがたたったか、いずれにせよペースアップは困難だったので、ペースを維持することに気持ちを切り替えました。
最後の10kmは苦しかったです。足が痛い。腰が痛い。このあと控えるサロマのために、故障を悪化させないよう歩こうか、という弱気が首をもたげます。
でも、サロマをにらんでレース前に掲げた目標の達成が難しくなった今、歩いてしまってはサロマにつながるものが何もなくなってしまいます。サロマではこれ以上の苦しみもやってくるはず。その苦しみに敗れてしまい、気持ちで負けてしまったのがこれまでのリタイアの最大の原因です。この苦しみと闘うシミュレーションとしては、これは最高の場面です。苦しくても気持ちさえ切れなきゃゴールは向こうからやってくるはず。そう思って足を進めます。
徐々にゴールまでの距離が短くなってきます。ところが、もうすぐゴールと思った瞬間から、ゴールは遠のいてしまいます。気持ちが弱くなるのでしょうか。わずか5kmの距離が、50kmくらいにも思えてしまいます。
ゴールをすればこの苦しみから解放されます。早くこの苦しみから解放されたい。そう思った瞬間から、苦しみは束になって襲いかかってきます。
そんな苦しみと闘いながら、ゆっくりゆっくり足を前に送り出しました。
結果は6時間14分49秒。6時間を切ることはできませんでした。2つの目標も達成できませんでした。ただひとつ、最後まで苦しさに負けなかったこと。最後まで気持ちを切らさなかったこと。これだけは、サロマに向けたいいトレーニングとなりました。
練習量からすると、今年もサロマでは苦戦が必至です。自分の精神力が、完走したいという気持ちが、練習量不足を補うことができるのか、試されるレースとなるでしょう。
今年のサロマはどういう結果になるか、精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします。
さて、詳細な完走記はもう少々お待ちください。その前に、延び延びになっているノーザンホースパークマラソン完走記を連載開始します。