灼熱のサロマが牙を剥く~第25回サロマ湖100kmウルトラマラソン未完走記2(眠れない夜) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 やがて、16時からは開会式と前夜祭が行われます。参加人数が多いため、ホールには入りきれず、ロビーまで会場になっています。この前夜祭、参加者のマナーがよいとはお世辞にも言えず、特にロビーは無法地帯と化し、年によっては乾杯の前に飲み食いが始まってしまいます。2年前は同じチームのメンバーもその輪に加わっており、怒りのあまりこのチームをやめようと思ったこともありました。昨年は前夜祭に参加しなかったので、それ以来の参加です。


 今まではロビーで参加していたのですが、今年はホールに入ってみました。あいさつが終わり、選手宣誓や注意事項が話されます。そんな中では、口蹄疫対策についての注意事項もしっかりと伝えられます。


 今年のサロマは、直前になって開催が危ぶまれる事態となっていました。宮崎県で発生した口蹄疫が拡大の兆候を見せ、そのため地元農協から中止要請が出たのです。


 結局、万全の防疫体制をとることを約束し、開催にこぎつけました。


 大会事務局が、万全の防疫体制をとると約束したこと。私は、それは大会参加者も同様に約束したことだと理解しています。大会事務局が勝手に約束したことだから、オラしらね、とはならないと思います。


 でも、果たしてすべての参加者がそのように理解しているのでしょうか・・・。


 一通りのセレモニーが終わった後、宴会に入りました。食べ物がある中央のテーブルからは、瞬く間に食べ物が消えていきます。でも、誰か他の人も言ってましたが、例年よりは食べ物も多かったように感じました。


 しかも建物の外では、鉄砲汁と海鮮炒め、焼きそばが出されています。そちらにも並んで食べましたが、十分にお腹いっぱいになりました。


 それからヨーイチさんの車でホテルに向かい、おろしてもらいます。このホテル、明日は朝食が午前3時から用意されます。ヨーイチさんには3時15分に迎えに来るようお願いし、チェックインしました。


 部屋に入ってからは、ウェアにナンバーカードをつけるなど、準備をすべて行います。あとは走るだけ。すべての準備を完了して、21時前にベッドに潜り込みました。


 ところが、ウトウトするのですが、なかなか眠りにつけません。レース前で興奮して寝つけないことはままあります。ましてサロマは、朝早く起きなければなりませんから、余計です。でも、これまでは幸いなことに、案外寝つきはよかったのです。


 今回は、1人で泊まっているせいでしょうか。今までは仲間と一緒でしたし、部屋もツインですから同室者がいました。「寝坊したらどうしよう」という不安はなかったのです(人任せ)。でも今回は・・・。


 眠ったという感覚がないまま、時計を確認すると22時30分、23時30分、0時30分と過ぎていきます。午前1時を回ったとき、もう寝ることを諦めました。目覚ましをセットしているのは午前2時。ここで眠ってしまうと、起きられない可能性がかなり高くなります。仕方がないので、横になって目だけはつぶっていました。


 レース前に眠れないこと。それ自体はままあることです。そんなときでも、静かに横になって目をつぶっていること。それだけでも体の疲れはけっこう取れるから。そのように教わっていましたので、とにかく静かに横になったまま、午前2時を迎えました。


 目覚まし時計が鳴ります。いよいよ行動開始です。Tシャツとランパンを身につけたり、荷物を準備したり、トイレに行ったり歯を磨いたり、あっという間に1時間が過ぎてしまいます。3時になると食堂ですぐに朝食をかっこみ、そしていざ出陣です。


 迎えに来たヨーイチさんの車に乗り込み、一路、湧別を目指します。いつもは朝靄がかかり、ひんやりしていることが多いのですが、今日は空がしっかり見えています。気温が上がりそうな予感がします。


 湧別に到着したとき、ちょうどきれいな朝日が昇っていました。いいものを見た。これで今日の完走は約束されたようなものだ。そう都合よく解釈しました。


Road to SAROMAN BLUE-朝日


 朝の会場をウロウロしながら、知り合いのランナーの姿を探します。そして互いの健闘を誓い合います。


 タイツを履き、ランニングウェアを着て、シューズを履き替えて、準備を整えます。そしてレストステーションに送る赤い袋と、ゴールに送る青い袋を預けに行きます。そこには、例年とはちょっと違う光景が繰り広げられています。


 口蹄疫対策の一つ、消毒です。消毒マットを踏み、消毒液が噴霧されているテントを通過しなければ、袋を預けに行けません。ここで私もしっかり消毒されました。


Road to SAROMAN BLUE-消毒


 スタート20分前にはスタートラインに整列です。私は例年と同じような位置に並びました。周りには知り合いのランナーも多く、いろいろ話しながらスタートの時を待ちます。


 スタートゲートに設置されている時計が徐々にスタート時間が接近していることを告げます。


 2分前・・・1分前・・・。


 やがてその数字は10、9・・・と減り出します。私たちはそれを見ながら、カウントダウンをします。


 「3、2、1・・・」


 時計がスタート時刻を告げるとともに号砲が響き渡り、ランナーたちは一斉に拍手をします。


 第25回サロマ湖100kmウルトラマラソンの幕が切って落とされました。(つづく)



Let's Run with a Smile!