あるテレビ番組で、陸上競技の現100m、200mの世界記録保持者ウサイン・ボルト選手の特番をやっていたので、録画しておいたのを最近観たところ、彼が「脊柱側弯症」であることをはじめて知り、大変驚きました。
脊柱側弯症というのは、正面や後面からみると真っすぐになっている背骨が、横や後ろに弯曲したり、ねじれが異常なほどに大きくなる病気のことです。見た目の問題もさることながら、腰や背中の痛みにくわえ、肺や心臓などにも影響を及ぼします。
原因不明の特発性側弯症と、生まれつき背骨に奇形がある先天性側弯症があり、ボルト選手の場合は先天的なもののようです。レントゲン画像などで詳細は明かされていませんでしたが、後ろ姿を映した映像からは肩と骨盤が右に下がっていて、推測するに上部腰椎あたりに問題があるように思いました。
ボルト選手のフォームは、曲がった背骨の影響で上半身の振れ幅が大きくなり、それに伴って骨盤も大きく動いてしまいます。結果として左右の振れ幅が大きい不安定なフォームで走ることになってしまうわけです。
この大きな骨盤の動きが腰痛やハムストリングス(太腿の裏の筋肉)の肉離れのリスクを高めることになります。理由として、着地の際に骨盤が前に大きく傾くことでハムストリングスが強く牽引されてしまい、負担が増すためです。
実際、2004年のアテネオリンピックでの1次予選敗退や2005年のヘルシンキ世界選手権での肉離れ、2010年のアキレス腱損傷による休養、現在も続いているハムストリング痛は脊柱側弯症が原因で起きたことだったようです。
また、曲がった背骨はスタートにも影響を及ぼしているようで、骨盤の振れ幅が大きいため、踏み出した足の膝から爪先が外側に向いてしまい真っすぐ出すのが難しいのです。膝下が大回りするために、一歩目が着地するまでのタイムロスを招いてしまうのです。
よって、スタートにどうしても神経質になることが起き、2011年のテグ世界選手権でのフライングによる失格につながったように思います。
しかし、なぜ爆弾ともいえる背骨の障害を抱えた状態でも世界記録を出すことができたのでしょうか?不思議ですよね。
そのことについても、番組で科学的に分析していましたので次回ご紹介します。
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