タイガー・ウッズ選手は、今季のメジャー初戦で左膝とアキレス腱を痛め、その後の出場を予定していた「ウェルズ・ファーゴ・チャンピオンシップ」を急遽欠場。復帰戦として今月に開催された「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」に出場しましたが、再び痛みのため初日の9ホール終了直後に棄権してしまいました。
その後の精密検査の結果、新たな負傷箇所は見られないと診断されたため、特別な処置は行わず休養とリハビリで復帰を目指す方針のようです。
ウッズ選手はこれまでに、計4度、左膝の手術を受けています。
最初は、1994年に腫瘍摘出手術、2002年には関節(滑膜)内の水腫摘出のため切開手術を受けています。2008年の4月に軟骨剥離を関節鏡視下手術で除去し、6月には前十字靱帯の再建手術を行っています。
軟骨損傷は前十字靭帯損傷と併発することが多く、もしそうでなくても前十字靭帯損傷によって、膝が不安定な状態で強い負荷がかかる動作を反復していると、2次的に関節軟骨や半月板の障害が生じてきます。
膝の関節は、通常の屈伸では非常に強いのですが、捻じりの動作には弱い構造になっています。ですので、足底が固定された状態で上体の早い回旋を行うゴルフのスイングは、膝の関節に強い負荷かけていることがわかると思います。
今回、棄権の主原因となった膝の傷病名は明らかになっていませんが、歩くのが辛いほど痛みがでていたと語っていましたから、過去のケガの履歴から考えると、おそらく半月板の損傷の影響が大きいと思われますね。それも内側半月に。
スイングフォームで理由を考えると、切り返しから徐々に左膝のO脚(内反)が起こることで内側にかかる負荷が強くなっていき、フォロースルーで最大になるためです。
半月板は内側半月と外側半月からなっていて、内側半月は半月状で内側側副靭帯とも結合しています。そのため外側半月より可動域が小さく、脛骨(スネの骨)の動きによっては無理に引っ張られるため、解剖学的にも損傷を受け易い構造になっています。
また、半月板は外側辺縁にしか(全体の約30%)血管が発達していないために、断裂した場所や状態によりますが、保存療法で元の状態に修復することは非常に難しくなります。
それゆえに、カイロプラクティックでの適応を考えると、手強い症状のひとつであり、今後の重要な研究課題です。
ウッズ選手は、6月16日から行われる今季のメジャー第2戦「全米オープン」での復帰を目指す考えを、自身の公式サイトで明らかにしています。
膝の状態が気になるところですが、またあの素晴らしいショットが見られることを期待したいですね。
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