「気ままにランニング」の第3回目は、「ゆりかもめ」沿線のランニング。
NETによると「ゆりかもめ」は「自動案内軌条式旅客輸送システムにより運行される新交通システム。
新橋と東京臨海副都心を結ぶ交通機関として、1995年11月1日に新橋駅 - 有明駅間 11.9 km が開業し、2006年3月27日には有明駅 - 豊洲駅間 2.7 km が延伸開業した。(全長14.7 km)その後、沿線にはオフィスビルや高層マンションのほか、多数の観光資源(お台場や有明地区、豊洲市場など)やコンベンションセンター(東京ビッグサイト)などの集客施設が誕生し、これが利用増につながっている」とある。
モノレールとの違いは「モノレールは1本の走行路(軌道桁)を通行する交通機関ですが、「ゆりかもめ」の走行路は、自動車道路と同じ構造のコンクリートの橋桁で、この上をゴムタイヤで走ります。走行路の両側には “案内軌条” と呼ばれるレールが設置されており、車両は曲線に沿って自動的にかじ取りしながら走行するので無人運転が可能」とある。
今回の目標は「新橋」をスタートして「ゆりかもめ」の走行路の下(約15 km)を走り、各駅と観光名所の写真を撮って「豊洲」にゴールすること。(想定時間は2時間半)
「ゆりかもめ」の「新橋」駅はJRとは直結していないので、専用の入口から上がると3階に乗り場がある。
1時前にスタートして直ぐの日本テレビ汐留タワーには、“日テレ大時計” が設置されている。
NETによると「誰からも愛される恒久的なシンボルの設置を目指し、スタジオジブリと日本テレビが共同で6年かけて制作したのが “日テレ大時計”。日本を代表する有名映画監督の宮崎駿氏が手掛けた銅製のからくり時計は、まさに東京・汐留のシンボル的存在。その大きさは何と高さ約12m、幅約18mに及びます!更に1228枚もの銅板を使用しているのも驚き。大時計から響き渡るメロディーを聴きながらジブリの世界へ飛び込んでみませんか?」とあったので、しばらく待っていると、1時すこし前に音楽と共に人形や扉が動き出して、ジブリ映画と同じ迫力ある演技を5分程楽しんだ。
“時計がグルグル回ったり、アチコチの人形が動いたり、大仕掛けで面白かった!”
「新橋」・「汐留」間は僅か400m。
この辺はオフィスビルが多いが、「イタリア公園」では早くも一部の樹々が紅葉していた。
“これはアメリカハナミズキか? イチョウとの対比が綺麗だ!”
次の「竹芝」には「竹芝埠頭」があり、東海汽船の神津島・八丈島行きや小笠原海運の父島行き、東京湾納涼船や東京ヴァンテアンクルーズなどの遊覧船が出航している。
「竹芝埠頭」の隣りには「日の出埠頭」があるが、レストラン船のSYMPHONY CLASSICAが停泊していた。
ここには、バンクシーが描いたのではと言われている ”ネズミの絵” がある。
NETによると『2019年1月、東京日の出駅付近にある防潮扉で発見された「バンクシー作品らしきネズミの絵」が、日の出埠頭2号船客待合所であらためて公開された。ネズミが傘をさした、バンクシーによるものとされる作品。この作品についての真贋は不明で、「公共物への落書きは決して容認できるものではありませんが、地元の方々からは、地域資源として本来の場所に戻すか、あるいは近い場所で保管し、多くの都民が見学できるようにして欲しい旨の要望があり、日の出埠頭の賑わい向上にも資することから、絵の描かれた防潮扉が設置されていた場所に近い同埠頭において展示することとしました」とある。
もともとは「通行止」と表示がある3枚の防潮扉の左端扉(「通」の字の下)に描かれていたが、公開するに当たって1枚だけガラスで覆って飾られていた。
ネズミの顔は良く分からなかった。
「芝浦ふ頭」を過ぎると、いよいよレインボーブリッジだ。
全長798mのレインボーブリッジは、上部が有料の首都高速道路、下部は無料で通行可能な一般道・歩道と「ゆりかもめ」が走る二重構造になっているが、レインボーブリッジを渡るためにはループ状の走行路を1周する必要がある。
レインボーブリッジの高さが海面から約52mに対して「ゆりかもめ」の走行路は地上約10〜15mの高さなので、高低差約30mを上る必要がある。これを直線で解消しようとすると相当な勾配になるので、ループさせながら緩やかに上ることで解消している。一方、首都高速については、もともと高架を走っているためループせずに、そのままレインボーブリッジに接続される。
それでは、歩行者は何処から入るのか? 歩行者は、吊り橋のメインケーブルを固定させるための巨大なコンクリートブロックの「アンカレイジ」(写真上の三角の建物)の専用入口から入ってエレベータで8階に上がると歩道に出られる。
ここのレインボーブリッジ真下にある「芝浦南ふ頭公園」からは東京湾が一望できて、通行する船舶を間近に観察できる人気スポットだ。
エレベータで歩道に上がると、一般道(両端の道路)と「ゆりかもめ」の走行路(中央部)が見える。
歩道は両側(ノースルート/サウスルート)にあるが狭くて走り難い。自転車も歩行者同様に無料で歩道を通行できるが、狭くて歩行者と衝突する恐れがあるため乗って走ることは禁じられている(手押しのみ)。ランナーが走って渡ることは認められているが、複数人で並走するのはすれ違いできないので禁止。
レインボーブリッジは全長798mだそうなので、走ると8分位で渡れるはずだが、なかなか中間点に辿りつかない。しばらくすると、「台場↑」と書いた表示が現れた。(反対側には「芝浦↑」表示あり)
“ここが中間点か! しかし、芝浦は港区だが、お台場は何区だっけ? ここは区境ではなかったのか!” 後で調べたら、芝浦もお台場も同じ港区だったので、境界線の表示ではなかったわけだ。正確には、お台場は港区・品川区・江東区が管轄を巡って争った結果、3区に分割されたそうだ。
歩道はサウスルート側を走ったので、第6台場が良く見える。
NETには「当初、品川台場は11基造る予定でしたが、資金難のため完成したのは5基。現在は第3「台場公園」と第6台場が国指定の史跡として残されています。第1・第5台場は東京港拡張のために品川ふ頭に埋没、第2台場は航路と重なるため撤去されました」とある。
さて、もう10分以上走っているが、まだ着かない。既にお台場側のアンカレイジは過ぎているが、そこからが長い。橋のピアには現在位置が表示されていたが、どうやら歩道は1523mあるようだ!
それでは、全長798mとは何処の長さなのか? Wikipediaには、レインボーブリッジの全長として「橋梁としては芝浦側アプローチ部1465m(陸上部439m+海上ループ部1026m)+吊橋部918m+台場側アプローチ部1367m(海上部905m+陸上部462m)が一体で建設されたが、通常は吊橋部からアンカレイジ部の60m×2を除いた吊橋本体(P22-P25間)の798mをレインボーブリッジと称することが多い」とあった。
“そうだったのか、全長798mとはピアP22-P25間だけの長さで、歩道はその2倍近くもあったのだ!”
“いよいよ、お台場だ!” ここで歩道は大きく右にカーブして「ゆりかもめ」から離れる。
走った歩道を振り返って見ると、吊橋部と違ってアプローチ部は強度が必要なので、ピア(橋脚)の間隔が狭くなっている。
やっと「お台場海浜公園」に着いた。レインボーブリッジを走って渡るのに17分かかった。
ここには何故か「自由の女神像」がある。
NETによると『フランスで1889年に造られた「自由の女神像」が1998年4月~1999年の1月までお台場に設置された。日仏友好のシンボルとして、初めての海外公開であった。「自由の女神像」の帰国が近づくと再建の声が高まった。現在の自由の女神像は1999年にパリ市からの正式な許可を受け再建され、2000年12月22日に除幕されたレプリカ像で、台座からの高さは12.25m、重さは9t』とある。
「お台場海浜公園」駅と「台場」駅の間には、砂浜の「おだいばビーチ」と岩場の「磯浜」があり、遊泳は禁止だが、水遊びができる。
この日も多くの観光客(外国人)や家族連れがレインボーブリッジの下で、“秋日和” を楽しんでいた。
ところで、この「お台場海浜公園」水域内に世界最大級の “噴水” を設置する話があるらしい。(写真下の水面から出ている杭らしき赤丸印付近)
東京都港湾局の報道発表(2024/9/13)によると、「臨海副都心は、魅力的な水辺や景観を有し、国内外から多くの人々が訪れるエリアです。東京都は、臨海副都心の魅力をさらに引き出し、より一層の賑わいを創出するため、まちをあげた取組としてお台場海浜公園に新たなランドマークとなる噴水「ODAIBAファウンテン(仮称)」を整備します。今後、工事着手に向けた準備を行うとともに、噴水の名称や、音楽とライトアップによる演出内容、まちのイベントとの連携等についても検討していきます。臨海副都心だからこそ味わえる、都心の貴重な水辺からレインボーブリッジや東京タワーに代表される景観をバックに展開する噴水ショーを、東京の新たな魅力として国内外にアピールしていきます」とある。
高さ150mの噴水と、東京都の花である ”メイヨシノ”、桜をモチーフとした横幅250mの噴水(世界最大級の規模)を組み合わせて整備する。
2025年度に着工して25年度末の完成を予定し、整備費は約26億4000万円、維持管理費は年間約1億5000万円~2億円を見込んでいる。小池百合子知事は定例記者会見で「臨海副都心に新たなランドマークを整備する。東京の新たな魅力としてアピールをしたい」と話した。
しかし、“26億円は勿体ない。医療・福祉・介護に使うべきだ!” との意見も出ているので、今後どうなるかはまだ不明らしい。
「お台場海浜公園」では写真を撮るのに集中したため、時計を止めて1km程歩いてしまった。
「潮風公園」は工事規制のため一部が立入禁止になっていたが、ここには「東京港トンネル」があり、首都高速道路湾岸線(大井-台場)を結ぶ海底トンネルとして供用されているが、大きな排気塔がある。
排気塔の海側には「潮風橋」がある。この橋のワイヤは、何故か斜めに張ってある。“ん~、何で?”
更に走ると「東京国際クルーズターミナル」へ出る。
この日は外国の大型豪華客船(CORAL PRINCESS)が停泊しており、観光バスや乗客がターミナルを往来していた。
東京都公式ホームページ(10/22)によると、『今般、クルーズ客船「コーラル・プリンセス(Coral Princess)」が初入港します。アメリカに本社を置くプリンセス・クルーズに所属するクルーズ客船で、パナマ運河を通過できる最大クラスの客船です。停泊中は船舶を東京国際クルーズターミナルから間近にご覧いただけるほか、入港時には歓迎演奏を実施いたします』とあった。(シンガポール10月17日発~11月17日ロサンゼルス着 32日間のクルーズで11月1日に東京寄港 総トン数91,627t/全長294.0m/全幅32.2m/乗客定員2,000名)
“この日はちょうど東京寄港日だったのだ!”
「東京国際クルーズターミナル」に関しては、『もともと、晴海ふ頭には国際クルーズ路線に対応した「晴海客船ターミナル」があったが、レインボーブリッジ開通後は、高さ52m以上の大型クルーズ客船の航行が不可能になった。そのため、東京の新しい海の玄関口として東京オリンピックが開催される2020年に、岸壁全長430mの「東京国際クルーズターミナル」が建設された』とのこと。岸壁が長いので、これよりも大きい客船も利用できそうだ。
この先の青梅南埠頭には南極観測船「宗谷」が保存展示されている。
NETには「1956年(第1次)から1962年(第6次)まで南極観測船を務め、日本の南極観測事業の礎を築いたことで広く知られる」とあった。実際に実物を見たのは初めてで、“こんな小さな船で、よく南極まで行けたものだな・・”と、感心した。当時は、氷に閉じ込められて動けなくなり、ソ連の砕氷船オビ号に助けてもらったことを思い出した。
更にこの先には「東京湾岸警察署」がある。
1997年から始まったフジテレビ『踊る大捜査線』の舞台である「湾岸警察署」(WPS)は架空の警察署。本物の警察署は、もともと品川埠頭にあった「東京水上警察署」が廃止となり、2008年にお台場に新設されたもの。新設にあたり地元住民に名前を募集したところ、テレビの影響もあり圧倒的な支持で「東京湾岸警察署」に決定したそうだ。本来ならば地域名の「台場警察署」または「青海警察署」となるべきだったと思うが、”織田裕二” の人気の方が上回ったようだ。
もう1時間半近く走っているが、まだ9kmだ。あと5km以上ある。両足共に筋肉痛で、だんだん脚が上がらなくなって来た。
「テレコムセンター」を過ぎる頃には、道路を歩いている人が全くいない。同じお台場でも観光客はこの辺には誰も来ない。青海(あおみ)交差点で「ゆりかもめ」は大きく右にまがるが、ここで “休憩タイム” を取って「ガンダム立像」があるダイバーシティ東京プラザ広場に歩いて向かった。(時計とGPSはストップ)
ここには2017年に設置された「ユニコーンガンダム」がある。
NETには「お台場にあるユニコーンガンダム立像は実物大で作られており、全高は19.7mあります」とある。
“さすがにデカイ、大人と比べても比較にならないほど大きい!” ユニコーン(一角獣)とあるので、額に長いねじれた一本の角がある。これだけでも5m位ありそうだ。雨風や台風でも倒れないように固定してあると思うが、何処にもワイヤ等は見つからない???
反対側に廻ると、背中に丸い形をした “穴” のような物が2個見えた。これは何なのか? “ジェットエンジン” の排出口のようにも見える。ガンダムのことは良く知らないが、“ガンダムは空を飛べるのだろうか?” NETで調べると、第9話「翔べ! ガンダム」と出てきたが・・・?
「ガンダム」広場から戻って走り出したが、休憩が30分だったので脚は痛いままだ。
「青海」を過ぎると「水の広場公園」に出る。ここには水辺に親しめるように親水護岸が整備されている。
更に進むと「東京ビッグサイト」駅。ここは国内最大級の国際展示場なので、何回か来たことがある。
「有明」駅と「有明テニスの森」駅の間には、「有明コロシアム」が1987年に開場した。
NETによると、『当初は屋根が無かったものの、1991年に “スライド式開閉屋根” が取り付けられて全天候での利用に対応しています。約10,000席の観客席を備えた「有明テニスの森公園」のセンターコートとして、テニス大会のほか、各種スポーツ大会や様々なイベント(コンサート他)で多目的な利用が可能です』とある。
その先には今年オープンしたばかりの「有明アーバンスポーツパーク」がある。
ここには、スケートボードパーク、3x3バスケットボールコート、ボルダー棟、ランニングスタジアム、モンスタージャングル(ロープアスレチック)があるそうで、ランニングスタジアムには、全長約100mのトンネル状の構造内部に90mのランニングトラックを6レーン設けた全天候型ランニング練習場がある。
ここまで来ると、もうクタクタ状態で脚が攣り始めた。時々止まってマッサージをしながらゆっくり走るものの、歩くスピードと同じだ。橋を渡ると豊洲市場だが、“橋の上り坂がきつい!”
なんとか「市場前」に到着した。
あとは、豊洲まで直線で1kmちょっとだ。“頑張れ、頑張れ、もう少しだ!”
「新豊洲」からは通行人が多くなった。
そして最後は脚を引きづりながら「豊洲」にゴール!
“やった、15kmを走り切った! 両脚が筋肉痛でとにかく疲れた” 時計は5時を過ぎている。もうすっかり暗い。
GPSで計測結果を確認すると、走行距離14.65km、走行時間(正味時間)は2時間25分48秒で、平均ペースは9分57秒/kmであった。
①~⑭は距離(km)
「ゆりかもめ」の全長は14.7 kmなので、走行距離はもっと長くなるはずだが、所々歩いてしまったので短くなったようだ。
しかし、経過時間(スタートからゴールまでの総時間)は4時間8分54秒だったので、写真撮影・休憩・マッサージ時間が1時間半以上あったことになる。今回は本当に疲れた。9月に「渋谷川」を走ったものの、その後も暑い日が続いたため完全に練習不足であった。(反省)
お台場臨海副都心マップ