姫が死んだ。
今日はずっと寝たきりだったが
夜になっておしっこを出させた後に
容体が悪化。
呼吸が浅くなってほとんど意識がなくなり、
最期は2度3度と大きく身体をのけぞらせながら
静かに息を引き取った。
5カ月強の闘病生活だった。
まさか7歳の若さで
腎臓病がこんなに悪化するなんて
まったく想像もしていなかった。
注意をするのは
この7歳からって思っていたものだから。
不思議と悲しさとか涙とか
そういうものが襲ってくることはない。
これまで何度か
“いよいよ”って場面があったからだろう。
段階を踏んでここまで来たことで
耐性や納得感が醸成されたからに違いない。
そこに、もう動くことのない姫がいる。
生きている頃より毛艶のいいその身体を見ると、
“命”って何だろうと不思議な気持ちになる。
姫を思う時、
必ず涙してしまう“疑問”がある。
「うちの子になって幸せだったか?」
この答えの出ない問いだけは
悲しみを増幅させる。
姫を飼うことができて
“確信”していることが2つ。
1つは
姫が世界一かわいい猫だったってこと。
1つは
姫がいなくなって、
もうこの世界は変わってしまったってこと。
姫がいた世界、姫がいなくなってしまった世界。
どちらがいいとか悪いとかって問題ではない。
ただ失ったものはもう戻らないってだけだ。
それでも、
うちには3匹の猫がいる。
彼らを姫と変わらず愛し、
姫を送ったように送り出さねばならない。
ありがとう、うちの子になってくれて。
姫のことは一生忘れないよ。
虹の橋のたもとで待ってておくれ。