第882話「生理休暇を有給にしてみます(前編)」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 

 はたらく女性社員の悩み事として生理痛があります。労働基準法には生理休暇を与えなければならないとされていますので、どの会社の就業規則にも慶弔等と併せて特別休暇の一つとして明記されているはずです。しかし、生理休暇は『無給』扱いの会社が殆ど。そこでオフィスタでは女性の生理休暇を有給にできるのか?その効果は?実際に社内で導入して検討してみることにしました。

 

 就業規則に盛り込まれている特別休暇の一つである生理休暇ですが、国内でどのくらいの使用率かというと約12%といわれています。大体10人に1人くらいの利用率です。もちろん特別休暇なので利用するしないは各人の自由ですので利用率が低いから悪いということではないのでしょうが、何故折角の特別休暇なのに使用率が低いのか調べてみました。

(1)生理休暇が無給である

(2)上司に生理休暇申告が必要(特に男性上司)

(3)生理痛に個人差があり重さや期間に差がある

(4)社内に休める雰囲気がない

などが挙げられるのではないでしょうか。生理休暇は就業規則では慶弔などと並列に書かれていることが多いようで、慶弔は何親等までは何日とか事細かく書かれているのに対して生理休暇は順番も下の方にサラッと一文書かれているだけというのが社規雛形では一般的です。

 

 労働基準法に生理休暇を社規に定めるよう決められたのは昭和時代です。つまり昭和の男性社会の中で作られた制度を誰も疑問視しないまま現在まで引きずった結果、規則の中で生理休暇はさほど重要視されていないのです。利用すべき発生頻度は冠婚葬祭などが発生する確率よりも明らかに多いにもかかわらずです。

つまり、会社の中で生理休暇が軽視されているのに、わざわざ「自分は生理です」と申告してまで休む女性が少ないということでしょう。しかも休んだら無給である以上お給料が減ります。多少無理してでも出勤してしまうのも頷けますし、生理休暇の利用率が低いのはこの辺の事情から推察して当然な気がします。

 

 さてここで、オフィスタは「はたらく女性の支援」をコンセプトにしているのに、お恥ずかしながら生理休暇は無給と社規に定められていました。この誰も気にも留めなかった理不尽に対して何か変革はできないものかとある日思い立ちました。思い立ったら吉日で、すぐにオフィスタの社内の女子社員を集めて検討WGを設置して問題・課題の拾い出しから行いました。生理休暇を利用しない原因としては、以下の意見が共通していました。

 

意見1:無給だから多少無理してでも出勤はする。生理休暇を毎月利用しようとはそもそも思っていない。しかし、休んだ分が給与保証されるなら休むようになると思う。

意見2:上司に生理休暇の申告をするのが恥ずかしい。

意見3:休めばその後の仕事が溜まるだけなので家で静養していても気が休まらない。

 

 

(意見1)生理休暇が有給ならば「休むと思う」という意見がありました。無給だからあえて使わないけれど、有給なら使わなければ「損」であるという思考も働くようです。至極当然のことだと思います。

一方で、休んでも賃金が出るなら「生理が軽かったとしても無理やり休暇利用しようとする者が出てくるのではないか」という意見も出ました。生理痛は個人差があり自己申告だからこそ虚偽申告をどう防止するのかという課題が突き付けられます。多くの企業が生理休暇を無給扱いにしているのはこのためではないでしょうか。

(意見2)昨今生理痛を男性陣にも知ってもらうような活動が盛んですが、こういう取り組みで生理=恥ずべき秘め事という考え方が今後変わるかどうか次第でしょう。

 

(意見3)雇用環境整備の問題です。育児中女性や生理で苦しむ同僚などを助け合える職場にできるかどうかが課題となるでしょう。特に男性の理解が不可欠です。

 

 結論から言うと生理休暇を「有給」にすれば取得率は増えます。が、自己申告である以上、生理休暇を使わないと損になるので勿体ないからと無理やり利用したり、生理だと虚偽申告で遊びに行くなど不正利用も当然想定されます。防止策はないでしょう。こうなると男性陣からはズルイという反発が出ます。どうしてもルールの抜け道は存在しますので、良かれと思って作った制度なのに結果本当に必要な者が巻き添えを食ってしまうのはどんな制度・法律だったとしても起きてしまう弊害です。

このような事情で生理休暇を有給にできないため男女全社員に有給休暇を平等に与えたという企業があるそうですが、有給休暇は自由にいつでも使える権利です。ここでいう生理休暇を取得促進させるという趣旨とは全く観点がズレています。これでは単なる福利厚生の一環に臨時ボーナスを配ったのと何ら変わらず生理休暇問題の解決に何ら関係がない策です。あくまで「特別休暇」でありながら「有給」で本当に「勤務困難な時だけ」使用できる制度でなければ意味がありません。ましてやオフィスタは何万人という登録者を抱える派遣会社です、その全員に対応するとなると簡単ではありません。そんな無理難題に挑戦してオフィスタが出した答えがこちらです。

(後編につづく)

 

(参考)オフィスタNEWS第193号:特集『生理休暇を有休にしてみます(制度制定)』

https://offista-com.prm-ssl.jp/data/mailmagazine/2406.pdf

 

~~~ 第883話後編につづく ~~~

 

 

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